- 野球カステラの魅力を伝える
- 野球カステラの技術を継承する
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7月24日公開予定
隠し味を利かせた野球カステラ
野球カステラの技術を継承する
創業100年以上の瓦煎餅店「手焼き煎餅 おおたに」では、2016(平成28)年ごろから、瓦煎餅や野球カステラ作りの技術を次の世代に伝える取り組みをしています。2026(令和8)年1月には、6人目の弟子である「手焼きカステラもりもとや」の店主が、同店で間借り製造をスタート。師匠と弟子、それぞれのこだわりが詰まった味や形の違いを楽しんでみませんか。
会社勤めをしながら守った老舗の味
神戸市中央区、大日六商店街のすぐそばにある「手焼き煎餅 おおたに」は、1世紀以上続く瓦煎餅の老舗です。3代目の大谷芳弘さんが焼く野球カステラは小ぶりで、むっちりとした食感とほんのり優しい甘さが特長。「小麦粉、砂糖、炭酸(重曹)にバターを加えて、蜂蜜と卵をたっぷりと。香ばしさを出すために、ごま油を使って焼いています。大切にしているのは卵。特に夏場は鶏が水分をたくさん取るため水っぽくなるので、卵屋さんと相談しながら最適な卵を仕入れています」と大谷さんは語ります。
大谷さんが店を継いだのは、会社員だった55歳の時、2代目の父親が他界したことがきっかけでした。「残された母に店を閉めて同居することを提案しましたが、『ここで店を続けたい』と言われました」と振り返ります。それまで瓦煎餅も野球カステラも焼いたことがなかったため、かつて父の下で修業し、須磨区で同業を営んでいた親戚から作り方を教わったそう。以来、平日は会社帰りに店に寄って煎餅やカステラを焼いてから家に帰るという多忙な生活が始まりました。
「店番は母の生きがいでしたから、母が元気なうちは続けようと。私が継いで約10年がたったある日、『弟子になりたいという女の子が来たよ』と母から聞いた1週間後に、94歳で亡くなりました」。母の遺言と受け止めた大谷さんは、弟子が一人前になるまで店を続ける決意をします。ところが、その弟子がテレビの街頭インタビューで「瓦煎餅の修業をしている」と答えたことから突撃取材された番組が反響を呼び、次々にメディアに取り上げられ、客足が急増。「辞めるタイミングを見失ってしまいました」と大谷さんは笑います。
店存続の立役者となった初弟子は2020年、高知県に店舗をオープンし、地域で人気に。大谷さんはその後も数人の弟子を取り、また、一般の人にも伝統の技に触れてもらおうと、野球カステラ愛好会が企画した職人体験券が当たる「野球カステラカプセルトイ」を数量限定で店頭に設置するなど、文化の普及に力を注いでいます。





野球少年の母が焼く愛情たっぷりのカステラ
大谷さんの6人目の弟子で「手焼きカステラもりもとや」の店主、森本弓子さんは2026年1月、師匠の店で間借り製造する形で独立しました。
森本さんの2人の息子は共に野球少年。長男の少年野球卒団記念品を探す中で、野球カステラにたどりつきました。「子どもの頃、祖父が買ってくれたのを思い出し、懐かしい気持ちになりました」と振り返ります。愛好会のウェブサイトで後継者不足の現状を知った森本さんは、会に連絡。大谷さんを紹介され、卒団記念に野球カステラを自分で焼くために2025年7月、弟子入りしました。「お菓子作りが好きなので、ホットケーキを焼く感覚で入門したのですが、実際にやってみると焼き型が想像以上に重く、とても難しかったです」と森本さん。師匠の大谷さんは「お菓子作りの基礎があるので、筋は良かったですよ」と微笑みます。
記念品が好評だったことから、受注販売をすることに。「子どもたちに安全なものを食べてもらいたい」との思いから材料にこだわり、高い栄養価と深いこくが特長の大分県のブランド卵、口当たりが軽く上品な味わいのグラスフェッドバターなど、厳選した上質な食材を使用しています。焼き型は愛好会から譲り受けた100年以上前の貴重なもの。「キャッチャーマスクは、明治時代に使われていた剣道の面タイプ。ひもの結び目まで再現されているんですよ」と話します。
現在は受注販売とイベント出店、委託販売のみの営業ですが、月に数回、週末に受注分を製造している際、運が良ければ焼きたてを買えることもあります。
100年以上の歴史を紡ぐ「手焼き煎餅 おおたに」と、新たな情熱を吹き込む「手焼きカステラもりもとや」。それぞれの野球カステラに込められた物語に思いをはせながら、素朴なおいしさを味わってみては。


神戸市中央区割塚通7-2-11
営業時間10:00~18:00(日曜は15:00まで)
定休日:月曜、火曜
アクセス:阪急「春日野道」駅から徒歩約5分
Instagram:https://www.instagram.com/ootani453/?hl=ja
マップ:https://maps.app.goo.gl/FCd4jNqz32bshLsh6
神戸市中央区割塚通7-2-11(手焼き煎餅 おおたに)
※注文やイベント出店情報はInstagramを参照
Instagram:https://www.instagram.com/morimotoya2025/
【委託販売先】
カフェ ラ・フルール
神戸市西区学園西町1-4 キャンパススクエア1F
TEL:078-742-6881
営業時間:10:00~20:00
定休日:キャンパススクエアに準ずる
アクセス:地下鉄「学園都市」駅から徒歩約5分
※第1・3月曜、1日限定10袋販売
マップ:https://maps.app.goo.gl/teV9fLFUCwbrxbzk7