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長田神社の「おついたち詣り」と萬福茶屋

地元の人々から「長田さん」と呼ばれ、親しまれてきた長田神社。参道近くにある長田神社前商店街では、神社の「おついたち詣り」に合わせたお菓子の催し「萬福茶屋」が好評です。参拝帰りにちょっと立ち寄ってみませんか。

室町時代から門前町として発展

約1,800年前に創建されたと伝わり、商工業や産業の神「事代主神」を祭る長田神社。毎月1日と15日には月次祭を催行、とりわけ月初めの「おついたち詣り」には多くの人が足を運び、日々の平穏無事を祈っています。

神社の正門から南に延びる参道には、室町時代から茶店や呉服店といった商店が軒を連ね、門前町として発展しました。しかし戦後、参道の東に大通り「長田線」が開通すると人の流れが変わり、「参道にあった店は次々と大通りに移転したそうです」と長田神社禰宜の佐々木さんが教えてくれました。

月初には「おついたちまいり」の木札がかけられる長田神社正門。

和菓子店が並ぶ長田神社前商店街

大通りに集まった店は1920(大正9)年、商店街を形成しました。さまざまな業種の店が並ぶ中でとりわけ数が多いのが和菓子店です。創業146年を誇る「長田のういろや」を筆頭に、300mほど歩く間に次々と看板が目に飛び込んできます。

商店街では30年ほど前から、おついたち詣りの日に限定商品やセール品を販売する市を開催。神社の授与品にある縁起ものの玩具「ぽっぺん」にちなんで「ぽっぺん市」と命名されています。和菓子店も各々で参加していましたが10年ほど前、「いろいろな店のお菓子を一度に購入できるように」と洋菓子店を交えた6店舗が商店街の一角にあるサンドール北広場に「萬福茶屋」を設営。以降、原則1月を除く月の1日に営業してきました。「現在はコロナ禍で行っていませんが、以前は商品の販売のほか、無料でお茶を提供していました」と長田神社前商店街振興組合事務局長の中島靖之さんは話します。

各店の名物や季節の品が並ぶ「萬福茶屋」のブース。

老舗の銘菓や季節の品が勢ぞろい

現在はパン屋や総菜店も加わった萬福茶屋。通常より価格を下げて販売する商品もあり、〝お買い得品″を目当てに訪れる人も多いといいます。

参加店で一番の老舗は「長田のういろや」。創業時は神社の正門前で茶屋を営んでいたといい、長年使ってきた包装紙には、長田神社の祭神の使いであるニワトリと神社前に架かる八雲橋が描かれています。屋号通り、ういろを看板商品にのれんを守り続けるのは、5代目の多田進博さん。「昔から、お供え用の丸餅と、来客の手土産用のういろをお納めしてきました」と神社との縁を語ります。

赤飯やおはぎといった定番商品に加え、季節感あふれるラインアップで毎回人気を集めるのが、1937(昭和12)年創業の「餅屋大西」です。3代目店主の大西健一さんが「和菓子を通して季節の移ろいを感じられます」と話すように、3月はひな人形を模した桜餅「ひな桜」、5月は柏餅、9月には月見団子と四季折々に華やぎを添えます。

この他、神戸市北区に本店を構え今年で創業100年を迎えた「ほうらく堂」の長田店も、ロングセラー「ほうらく饅頭」を3個から販売しています。4代目店主の五嶋日出夫さんは「ほとんど製法を変えていないので、昔ながらの懐かしい味わいを楽しんでいただけたら」と話します。

 お参りを済ませて清々しい気分で鳥居をくぐると、その先には甘~い誘惑が待ち構えます。

「萬福茶屋」に出品されている老舗の和菓子。左上から時計回りに、「餅屋 大西」の「桜餅」「雛桜」「赤飯」、「長田のういろや」の「ういろ」、「ほうらく堂」の「ほうらく饅頭」。
和菓子店が並ぶ長田神社前商店街。おついたち詣りの日は特ににぎわいます。

長田神社
神戸市長田区長田町3-1-1
TEL:078-691-0333
アクセス:地下鉄「長田」駅、阪神「高速長田」駅から徒歩約10分
長田のういろや
神戸市長田区長田町1-3-1 サンドール長田南館1F
TEL:078-691-0987
営業時間:9:30~18:30(売り切れ次第閉店)
定休日:火曜
アクセス:地下鉄「長田」駅、阪神「高速長田」駅から徒歩約5分
餅屋 大西
神戸市長田区長田町1-3-1 サンドール長田南館1F
TEL:078-691-4629
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜
アクセス:地下鉄「長田」駅、阪神「高速長田」駅から徒歩約5分
ほうらく堂 長田店
神戸市長田五番町8-1-4
TEL:078-576-0912
営業時間:9:00~18:00
定休日:月曜
アクセス:地下鉄「長田」駅、阪神「高速長田」駅から徒歩すぐ
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