山上リゾートの歴史を物語る六甲ケーブル「六甲山上」駅
神戸市灘区の六甲ケーブル「六甲ケーブル下」駅から、ケーブルカーに揺られて約10分。到着した「六甲山上」駅は1932(昭和7)年竣工のアール・デコ様式の建物で、建築当時の姿をほぼとどめています。同時期に建てられた保養所をリノベーションしたカフェと合わせて紹介します。
山上リゾートの草創期を彩った名建築
アール・デコとは、1920年代から40年代にかけて世界的に流行したモダンデザイン様式。三角形や四角形、円などで構成する幾何学模様を基調としており、「六甲山上」駅の階段の手すり部分や照明器具、外壁に取り付けられている素焼きのレリーフなどに特徴が見られます。
「設計者は不明です。完成したのは六甲山上にリゾート施設が建ち始めた頃で、同じ時期に旧六甲山ホテルや神戸ゴルフ倶楽部のクラブハウスが誕生しました。山上への交通手段としてケーブルカーの運行が始まったのです」と話すのは、六甲ケーブルを運営する神戸六甲鉄道株式会社運輸部部長の米光茂弥さんです。
憧れの山上リゾートに訪れる人々を迎えるため、最先端の様式を採用して造られた鉄筋コンクリート造り、地下2階、地上3階建ての駅舎は、近代化産業遺産に認定されています。これまでに改修は施しているものの、意匠はできるだけ生かしているとか。「照明も蛍光灯からLEDに替えましたが、色みは昔のままオレンジがかった電球色にしています」と米光さん。柔らかい明かりの下で古びた趣のある木製ベンチに座れば、開業当時のにぎわいがよみがえってくるようです。
10月29日(木)、11月5日(木)、12日(木)には、「六甲山上」駅をはじめ山上で近代化産業遺産に認定されている建物などを、建築家の長尾健さんのガイドで巡るツアー(要予約)が実施されます。「普段は公開していないケーブルの巻き上げ室も見学していただけます」と米光さん。名建築を訪ねて山上リゾートの草創期に思いをはせてみませんか。


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神戸市灘区六甲山町一ヶ谷1-32
TEL:078-891-0222
アクセス:六甲ケーブル「六甲ケーブル下」駅からケーブルカーで約10分
HP:https://www.rokkocable.com
マップ:https://maps.app.goo.gl/F9yUaCZLwcAikYwn7
昭和モダン香る空間でスペシャルティコーヒーを
駅から東へ歩いて約10分。「六甲廻遊路線カーブNO.406」を曲がり木立を抜けた所にあるのが、昨年4月にオープンした「百合珈琲 六甲山」。宝塚市に本店を構える自家焙煎コーヒー専門店が運営しています。
建物は、1935(昭和10)年築の企業の保養所を、可能な限り当時の建築様式を残しながらリノベーションしたもの。白い丸太を重ねた外壁、店内の壁一面にしつらえられた木枠のガラス窓、れんが造りの暖炉など、あちらこちらに重厚かつ温かな昭和モダンの空気を感じることができます。「店内の家具や照明器具も、保養所時代に使われていたものをリペアしています」と、オーナーの百合千佳さんは話します。
ゆったりと流れる時間の中でいただけるのは、厚釜で焙煎したスペシャルティコーヒー。土鍋に粉と熱湯を入れ、4分間置いた後にネルでこす「浸漬法」でいれたコーヒーはえぐみが一切なく、まったりと深い味わいです。
「ガラス窓越しに見える神戸の街の景色が最高です」と百合さん。豊かな自然の中、昭和の面影を残す古き良き空間でコーヒーを片手に絶景を眺める。大人の休日にふさわしい、ぜいたくな時を過ごせそうです。
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神戸市灘区六甲山町西谷山1878-43 スズノネヒュッテ
営業時間:11:00~17:00(L.O.16:30)
定休日:水曜、木曜
席数:カウンター6席、テーブル18席
アクセス:六甲ケーブル「六甲山上」駅から徒歩約10分
Instagram:https://www.instagram.com/yuricoffee_rokkosan/
マップ:https://maps.app.goo.gl/Nu6Xdpf6fKknJ7Kp8