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節分の縁起物と伝統芸能を楽しめる「大覚寺節分会」

阪神「尼崎」駅の南側、寺町にある大覚寺では、毎年節分に「大覚寺節分会(だいかくじせつぶんえ)」が開催されます。今年も2月3日の8時から17時まで、祈祷(きとう)、身振り狂言やからくり人形の上演、豆まきなどが行われます。

節分や大覚寺にまつわる身振り狂言

大覚寺は、605年に聖徳太子が建立した「灯炉堂(とうろどう)」が起源とされ、その地に1275年、琳海上人によって開かれました。「大覚寺節分会」は、同寺に古くから伝わる由緒ある行事です。「本堂での法務に魔が差さないように、屋外で身振り狂言の上演などをしています」と副住職の岡本悠道さん。

身振り狂言は、金属製の打楽器「鰐口(わにぐち)」と締め太鼓を伴奏に、身振りだけで演じるせりふがない狂言です。幕末期にいったん途絶えたものの、1840年の上演記録が見つかったのをきっかけに、1953(昭和28)年に復活。2005(平成17)年には、復活50周年を記念して常設の能舞台が建てられました。舞台後方の「鏡板」には、室町時代の「槻峯寺建立修行縁起絵巻」にあるかつての尼崎の海辺の風景などが描かれています。

上演は10時から17時ごろまで。演目は京都の壬生狂言師に指導を受けた「節分厄払」「橋弁慶」「閻魔庁」といった節分にちなむものや、琵琶法師にまつわる伝説を基にした「十王堂」、源義経と静御前の別れを描いた「大物之浦」など尼崎の歴史や寺に残る古文書「大覚寺文書」に基づく作品です。狂言師は現在、小学生から70代までの26人の檀信徒が務め、代々受け継がれています。観客の熱気が高まり最も盛り上がるという豆まきも、狂言師により行われます。

「節分厄払」の一幕。上演スケジュールはホームページで確認を。
豆まきは12時と16時の2回行われます。

見て触れて楽しめるからくり人形

境内に立つ「芦刈(あしかり)からくり堂」では、3体の人形によって繰り広げられる約10分間のからくり人形劇を7年前から上演。2階が舞台になっており、観客はお堂の外から鑑賞します。笛と太鼓の音に合わせて動くからくり人形は、名古屋のからくり人形師、九代玉屋庄兵衛さんの作。「からす天狗」と「芦刈」の演目が上演され、山伏からからす天狗への早替わりや、登場人物の躍動感のある舞が見どころです。「本来は人形方が熟練の技で操りますが、当寺では尼崎にある株式会社TERICの技術を取り入れ、コンピューター制御のエアシリンダーによってスイッチ一つで複雑な動きを繰り出します。からくり人形という江戸時代から続く伝統的なものづくりと、地元企業の最先端技術との融合を見ていただければうれしいです」と岡本さん。

また、節分限定で2体のからくり人形の操作を体験できます。からす天狗の太郎坊がおみくじを運んで来る「船弁慶からくり御籤(おみくじ)」と、弁財天の従者・筆硯童子(ひっけんどうじ)が御朱印を書いているように見える「御朱印からくり」。どちらも土台から出ているひもを引くことで、人形が動きます。

「からす天狗」では、山伏から天狗の衣装に切り替わり、頭(かしら)も変わります。
「御朱印からくり」は設置された用紙に御朱印が押され、手渡されます。

節分限定で授与される縁起物

授与所では節分限定の「芦刈の破魔矢」「厄除昆布だるま」や星祭祈願札、昆布だるまの絵柄が入った御朱印を授与しています。

アシの茎で作られる芦刈の破魔矢は、古来宮中で鬼を払う儀式で使われたとされる矢にちなんだ縁起物です。厄除昆布だるまは、大阪張り子の金天姫だるまに白板昆布の着物を巻き、紅白の水引の帯を締めたもの。持ち帰って、背中に名前と干支(えと)を書いて祭ります。昆布には「喜ぶ」、水引の帯には「良縁を結ぶ」との意味が込められ、倒れても起き上がる様子から病気平癒の祈りも兼ねています。「昨年から昆布の上に薄い色紙の着物を重ねた4色のだるまも授与しています。色ごとに長寿や金運向上などの願いを込めています」

節分ならではの行事と縁起物で、1年間無事に過ごせるよう祈願しましょう。

「厄除昆布だるま」は入学や就職の縁起物として贈られることも。
月峯山大覚寺
尼崎市寺町9
TEL:06-6411-2705
アクセス:阪神「尼崎」駅から徒歩約5分
HP:https://amagasaki-daikakuji.com/
マップ:https://maps.app.goo.gl/E45D5SBp17BCSaBc6
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