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神戸の二大茶会で茶の湯体験を

茶懐石や濃茶、薄茶などフルコースでもてなす正式な「茶事」と異なり、「茶会」はお茶とお菓子、茶懐石を簡略化した「点心」と呼ばれる弁当をたくさんの人に振る舞うというもの。誰もが気軽に茶の湯の雰囲気を体験できる神戸の茶会に足を運んでみませんか。

お茶と共に須磨の歴史に触れる

新緑がまばゆい4月末ごろ、須磨寺周辺を会場に毎年開催される「須磨大茶会」(2019年~22年は新型コロナウイルス感染症により中止)。市民が気軽に茶道に親しむとともに、須磨の歴史に触れてもらうことを目的に、須磨区や地域の自治会等から成る須磨大茶會運営協議会が1980(昭和55)年に始めました。

茶席は須磨寺本坊と「須磨温泉 寿楼」の2席を用意。それぞれ流派の異なるお点前で薄茶と和菓子が振る舞われ、使われる茶器や茶道具についての解説を聞くことができます。

須磨寺本坊の座敷席では、庭に面した大広間でのお点前。1184(寿永3)年、源平の天下を分けた一ノ谷の戦いの舞台になったと伝わり、平敦盛が愛用した「青葉の笛」や「義経腰掛の松」といった、多くの文化財や史跡が残る境内の散策も楽しめます。客殿では地元・須磨の伝統芸能「一絃須磨琴」の演奏会も開催。平安初期、文徳天皇の怒りに触れて須磨に流された中納言・在原行平が、浜辺で拾った木の板に1本の弦を張って爪弾いたことが起源とされ、凛とした音色が悠久の歴史を思い起こさせます。

須磨寺本坊のお座敷席(写真は2019年の様子)。
「須磨琴保存会」による一絃須磨琴の演奏会(写真は2019年の様子)。
平敦盛、熊谷直実の一騎打ちの場面を像で再現した「源平の庭」など、須磨寺境内には源平合戦ゆかりのスポットがたくさん。

また、寿楼では椅子に座ってお茶をたてる立礼(りゅうれい)式のお点前。正座をしなくてもよい気軽さや、亭主の所作や道具の取り合わせを正面から見られることなど、座敷席とは異なる楽しみがあります。

寿楼本館の椅子席(写真は2019年の様子)。
第39回 須磨大茶会
日時:4月29日(土・祝)9:00~16:00(最終受け付け15:20)
会場:須磨寺本坊、須磨温泉 寿楼本館2F「金波の間」
茶席および席主:
・須磨寺本坊席(座敷):裏千家 淡交会神戸第一支部
・寿楼席(椅子席):表千家 同門会兵庫県支部
席料:2,500円(2席分)※時間指定の前売り券のみの販売。当日券なし
前売り券販売場所:神戸市総合インフォメーションセンター、須磨寺
問い合わせ:(一財)神戸観光局(TEL:078-262-1776)
一絃須磨琴演奏会
日時:4月29日(土・祝)11:00~、13:00~、15:00~ ※観覧無料
会場:須磨寺客殿

秀吉がもたらした茶道文化を継承

心身を癒やすため有馬温泉をしばしば訪れた豊臣秀吉は、千利休らと茶会を開き地元の町人を招いたと伝えられています。

1950(昭和25)年以降、毎年木々が深紅に色づく11月2日、3日の2日間、有馬温泉観光協会により開かれているのが「有馬大茶会」。豊かな自然の中で秀吉がもたらした茶道文化を継承しようと、有馬温泉かいわいの寺やホテルなどで、薄茶とお菓子が振る舞われます。また、2日には裏千家と表千家が毎年交代で秀吉公の霊位にお茶をささげる「献茶式」が善福寺で執り行われます。

会場周辺には沙羅双樹の寺としても知られ、秀吉の正室・ねねの別荘があった念仏寺や、秀吉が「いくら見ていても飽きない」と褒めたことから「日暮らしの庭」と呼ばれる庭がある瑞宝寺公園など、有馬を愛した秀吉をしのばせるスポットが点在。紅葉の名所としても名高い有馬温泉をそぞろ歩き、茶の湯とともに湯巡りを楽しむのも風流です。

念仏寺の座敷席(写真は2022年の様子)。
瑞宝寺公園の野点席(写真は2022年の様子)。
第74回 豊公を偲ぶ 有馬大茶会
日時:11月2日(木)・3日(金・祝)9:30~15:00(最終受け付け)
茶席および席主:裏千家淡交会
※会場・席料は未定
問い合わせ:有馬温泉観光案内所(TEL:078-904-0708)
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