プロのアドバイスで失敗のない一点に

2014（平成26）年にオープンした同店。店内には国内外の多様な財布やバッグなどがずらりと並んでいます。財布は既成品だけでも50種以上ありますが、「求めるものと微妙に違う」「もっと自分らしさを表現したい」などの思いがある人はオーダーメードがおすすめです。店の奥に併設された工房で、高い技術を備えた職人がお客の希望に寄り添いながら、使いやすくて飽きのこない一品を提案してくれます。

オーダーの形式は、カスタムオーダーとフルオーダーがあります。まずは予約を入れて店舗を訪問。職人に希望を伝え、デザイン、素材、色など細かい仕様を決めていきます。「雰囲気だけで革を選ぶ方がいらっしゃいますが、財布の構造上、外側は軟らかく、内側は硬い素材を使った方がいいなど必要なアドバイスはさせていただいています」とオーダーメードを担当する職人の藤原進二さんは話します。

イタリア産の革の品ぞろえは国内屈指

カスタムオーダーはデザインを長財布または二つ折り財布計10種ほどから決め、革は牛、ワニ、ゾウ、ヤギなど5種、それぞれ数社の豊富なカラーバリエーションの中から選べるので、おおよその要望はかなえることができます。「うちはイタリア製の革が豊富で、日本で入手可能なものはほぼそろえています。どれも発色がきれいですし、革の質もきめが細かくて上質です」

仕様が決まると、いざ製作。最初に金型で革を抜き、パーツをそろえます。多いものは50パーツ以上にも分かれるそう。それを一つずつ接着剤で貼り合わせてミシンで縫い、また次のパーツを貼って縫うという作業を繰り返しながら組み立てます。完成までは3カ月ほど、価格は4万8,000円～です。

「今使っている財布が気に入っているのに廃盤になったため、同じものを再現してほしい」といった場合は、フルオーダーで対応。型紙を一から起こし、先にサンプルを作って問題がないかチェックしてから本番の製作へ。納品まで半年近く、費用も10万円以上を要しますが、ポケットの形や数など細部まで希望通りにしてもらえ、こだわりが強い人でも納得のいく一点が手に入ります。

「革の種類によって特長もさまざまなので、いろいろ質問してください。メンズが中心ですが、レディースも受け付けていますよ」と藤原さん。

あれこれ悩んでオーダーした一品は、わくわくしながら完成を待ちわびる時間も醍醐味（だいごみ）といえそうです。