fikaのベビー用品
神戸を拠点に、シリコン製や木製のおしゃれなベビー用品を制作、販売する「fika」。元保育士で、育児を経験した松森留美子さんと中井亜弓さんが2018(平成30)年に立ち上げ、翌年に販売をスタートしました。自身の体験を生かし、子育てを頑張るママに寄り添うアイテムを送り出しています。
子育て中のお母さんに癒やしを
幼稚園教諭と保育士の資格を持つ松森さんと中井さんは、働いていた幼稚園で出会いました。退職してからは保育所、児童館の指導員、ベビーマッサージ教室など活躍の場を広げ、それぞれの育児が一段落すると「子育てにはほっと一息つける時間が大切」という考えで意気投合。「頑張るお母さんたちにとって癒やしの時間になるような、シリコンビーズでベビーグッズを作るワークショップの開催を目指したのが始まりでした」
10人程度が参加する小規模なイベントをする一方で、海外の製品を参考にパステルカラーのシリコンビーズを使った歯固めを制作。SNSで公開すると子育て中の人たちに好評で、オンラインショップを開設して販売することにしました。
コロナ禍でイベントができない状況下でも、クリップや知育玩具など商品数を増やしていきました。現在でも店舗は持たず、オンラインショップ、百貨店、ベビー用品を扱う大型店やセレクトショップなどで販売。ワークショップは阪神百貨店の阪神梅田本店で隔月開催している他、全国の取扱店舗でも実施しており、ベビーグッズだけでなくキッズ向けの「お名前キーホルダー」も人気です。作るだけではなく、絵本の読み聞かせなど保育士としての経験を取り入れることも。「だんだん認知度が上がり、たくさんアイテムを持ってくださっている方もいます。実際に使っている人から感想を聞いた時は特にやりがいを感じます」
安全で丈夫なかわいいアイテム
使用するシリコンはBPA(化学物質のビスフェノールA)フリーの安全なもので、木製の場合は無塗装、無着色の天然素材。子どもに安心して与えられる安全な製品であることを徹底しています。シリコン製、木製で合わせて10種ほどラインアップしている歯固めは、お菓子や動物を模したデザインが特長です。歯のむずがゆさの解消、顎や歯の成長促進が期待でき、物を持って口に運びかむという一連の行為の練習にもなるといいます。
また、子どもの靴を片方だけ紛失するなどの体験からひらめいたのが「シューズクリップ」(1,650円~)。両靴を挟んでベビーカーに取り付けるほか、帽子やタオルのホルダーとしても活躍するアイテムです。
最近は、病気で入院中の子どもがいる人から聞いた話をきっかけに、病院でも創作活動を楽しめるようなイベントができないか模索しているそうです。「これからも母親たちの声を聞き、商品作りに取り入れていきたいですね」