すし屋のこだわり卵料理②秀寿し

すしのネタといえば、新鮮な魚介が中心ですが、海の幸と共に“いい仕事”をしているのが卵です。個性あふれる握りずしと、すしを盛り立てるユニークな茶碗蒸しなどを紹介します。

独特の食感が楽しめる「窯焼き玉子」

直径約20㎝、一見チーズケーキのようなビジュアルが目を引く「窯焼き玉子」。1976(昭和51)年に創業した「秀寿し」2代目店主の吉永秀哉さんが、神戸市内の修業先が提供していた卵焼きを基に独自にアレンジして生まれた、唯一無二の玉子焼きです。

主な材料は卵に昆布とかつおだし。ほんのり甘みを付けた生地を銅鍋に入れて約2時間、表面は硬く、中は崩れる手前の軟らかさで火を止めています。「季節やその日の気候によって火加減を調整しないといけないので毎回気が抜けません」。鍋から取り出し、少し冷ましてから包丁を入れると、プリンのようにつるんとつややかな断面が現れます。時間がたつと硬さが出てくるので、開店直後に訪問する人もいるのだとか。仕上げに散らす削ったユズの皮も、爽やかな香りを放ち、いいアクセントになっています。

握りのネタは、地元の市場や各地の産地から仕入れるほか、たまに自ら釣った魚も登場。シャリは小ぶりで、新潟県産「コシヒカリ」と山形県産「はえぬき」のブレンドを米酢ですっきり仕上げ、粒立ちが良いのが特長です。

単品(550円)はもちろん、おまかせコース(1万円~)のトリにも出てくるオリジナリティーの高い一品。口に運べばプリンやチーズケーキは似て非なる、独特のぷるんとした食感を体験できます。卵焼きの概念を覆す、一度食べたら忘れられない“個性派”を、ぜひ。

一度食べると病みつきになるという、インパクト大な「窯焼き玉子」。
この日のおまかせの握りから。左から、マグロの漬け、コハダ、煮はまぐり。
一人でも入りやすい、落ち着いた雰囲気の店内。予約がおすすめ。
秀寿し
神戸市中央区中山手通1-6-8 グリーンサイドビル1F
TEL:078-322-3939
営業時間:17:30~22:00
定休日:日曜、祝休日、月1回不定休
席数:カウンター8席
アクセス:各線「三ノ宮」「三宮」「神戸三宮」駅から徒歩約5分

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