多肉植物に特化した園芸店

丸くてぷっくりした小さな葉がかわいいセダム、一つ一つがまるでバラの花のようなエケベリア、プレーンなタイプからころんとした癒やし系までさまざまな形があるサボテンなど、店先にはとにかく大量の多肉植物がずらり。「数えたことがないので、どれくらいあるかは分かりません」と店主の田中正之さんは笑います。

1983（昭和58）年創業。今でこそ“多肉屋たなか”と呼ばれるほど多肉植物に特化していますが、７年ほど前までは花木や花苗、観葉植物を取り扱う一般的な園芸店でした。「年齢とともに商品の世話や持ち運びがきつくなってきて、手入れが楽な多肉を多く仕入れるようになりました」と田中さん。次第にその比率が大きくなり、現在はほぼ90％が多肉植物です。

多肉植物とは、葉や茎、根に水分をためることができる植物の総称。南アフリカや南米など雨の少ない地域が主な原産地で、砂漠など極度に乾燥した環境でも育つため、あまり手間がかかりません。「品種によって多少の違いはありますが、ほとんどが園芸初心者でも大丈夫。1週間程度なら水をやらなくてもいいので、旅行にも行けますよ」と田中さんは話します。

寄せ植えや紅葉が楽しめる品種も

初心者でも扱いやすいのがセダムやエケベリア。見た目の愛らしさや姿形の豊富さ、パープル、ピンク、ブルーといった多彩な色味が女性に人気の品種です。1つの葉や1本の茎を土にのせておくだけで育つため、寄せ植えにも最適。中には紅葉するものもあり、だんだんと色づいていく様子を楽しむことができます。「韓国産のエケベリアは検疫の関係から根が付いていない抜き苗の状態ですが、土にのせるとひと月ほどで根が生えてきます」

男性の一番人気は、牙のような大きなとげが特徴のアガベ。とげの色が多彩で、葉の形もさまざま。斑（ふ）入りなどバリエーションが豊富なので集める人が多いとか。「一度入れ込むと、どんどん深みにはまっていきます。私もその一人です」

園芸初心者からマニアまで、幅広いニーズに応えることができる同店なら、あなた好みのものがきっと見つかるはず。夢中になる人続出の多肉ライフ、おすすめです。