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歴史と音色でたどるオルゴールの世界

ロマンチックな音色で私たちの心を魅了するオルゴール。近世ヨーロッパで作られた数々のコレクションを通し、その奥深い世界をのぞいてみませんか。

国内屈指の収蔵数の一部を公開

西宮・苦楽園の閑静な住宅街の一角、1993(平成8)年に開館した「公益財団法人 堀江オルゴール博物館」は国内屈指の収蔵数を誇るオルゴール専門のミュージアムです。創立者の堀江光男氏が収集した、18世紀の終わりから18世紀の終わりから20世紀にかけてのオルゴールや、自動演奏するピアノやバイオリンなど約360点を所蔵しています。

オルゴールは鐘を機械装置で打ち鳴らす「カリヨン」が起源。18世紀の終わり頃には鐘が金属板に代わり、それを弾くことで音を奏でるオルゴールの原形が誕生しました。やがて19世紀の初めには譜面に合わせてピンを取り付けた金属の筒を回して音を鳴らす「シリンダーオルゴール」が、19世紀後半には突起の付いた円盤状のディスクで手軽に曲を差し替えられる「ディスクオルゴール」が登場。その後、蓄音機や自動演奏楽器の発明により、オルゴールは衰退していきます。

同館では、シリンダーオルゴール164点、ディスクオルゴール113点を収蔵。「ほとんどがレプリカではなく本物です。公開しているのは一部ですが、見学では構造や意匠などについて、学芸員が歴史的背景を踏まえて詳しく解説します」

堀江氏がコレクションを始めるきっかけとなったストリートオルガン。自動演奏楽器と類似する仕組みで、裏側のハンドルを回して音を鳴らします。見学者も体験可能。
ハンドルは重たく、回すのに一苦労。遊園地のメリーゴーラウンドで流れるようなサウンドが大音量でロビーに響き渡ります。

学芸員の詳しい解説を聞きながら見学

見学は、10時30分~、13時~、15時~の1日3回のみ。全て約1時間かけて館内を巡るツアー形式になっており、各展示フロアに設置された椅子に腰かけて、解説と演奏を聴くことができます。

数ある展示品のうち、とりわけ目を引くのがロシア最後の皇帝が愛用していたシリンダーオルゴール「ニコライⅡ世のオルゴール」。つややかな黒檀のケースに収められ、セーブル焼の磁器で飾られた重厚感ある趣に品格が漂います。また、音を鳴らすための鉄製の板「櫛歯」が一般的なオルゴールの2倍以上あり、メロディーや伴奏の重要な部分で同時に複数枚弾くことで音に強弱を付けて、より豊かな演奏が可能です。貴重な品のため普段は眺めることしかできませんが、年1回開催される演奏会ではその深みのある音色を聴くことができます。

オルゴールもさることながら、最上階の3階展示室からの眺めも必見。眼下に芦屋・西宮の街並みが広がり、天気が良ければ遠くは大阪・泉南の辺りまで望むことができます。また、敷地内に広がる庭園は、春はツツジ、秋は紅葉で彩られ、期間限定で特別公開も実施。美しい自然に囲まれた“音の館”でのひと時は、慌ただしい日常をしばし忘れさせてくれます。

3階展示フロア。構造がよく分かるようアクリルケースに収められたシリンダーオルゴールやディスクオルゴールも。
19世紀後半のスイス製シリンダーオルゴール「ニコライⅡ世のオルゴール」。きらびやかな装飾が施されたケースも貴重な工芸品です。
19世紀後半のドイツ製ディスクオルゴール時計「ポリフォンミカドクロック」。時計と連動して、1時間ごとに音楽を奏でます(時計は現在止めています)。
天井を見上げると、ライトのシェード代わりに現物のオルゴールのディスクが配されています。
エントランスの扉には、オルゴールのディスクを思わせる意匠が。
公益財団法人 堀江オルゴール博物館
西宮市苦楽園四番町7-1
TEL:0798-70-0656
開館時間:10:30~、13:00~、15:00~
休館日:月曜(祝休日の場合は翌平日)
入館料:高校生以上900円、4歳~中学生450円
アクセス:阪急バス「苦楽園」下車徒歩約10分
マップ:https://maps.app.goo.gl/zZmJ7S9hcK8furRN8
※要予約
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