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素材を厳選した体に優しい米粉スイーツ

お米はスイーツにもさまざまな形で取り入れられています。とりわけ米粉は小麦アレルギーを持つ人のための代替食材としてはもちろん、消化のいい体に優しい食材として注目を集めています。小麦とは異なる風味や食感の米粉スイーツを味わってみませんか。

故郷の米で作り手の顔が見える焼き菓子(atelier kinun.)

「叔母がふるさとで米農家をしていて、そのお米を食べて育ちました。お店を開く時に何か個性を出したくて、米粉のお菓子を作ることにしました」と柔らかな笑顔で話すのは、神戸・花隈の住宅街で菓子工房「atelier kinun.」を営む横田絹佳さん。愛知県渥美半島にある農業の盛んな田原市で生まれ、高校卒業後、地元の洋菓子店での修業を経て、10年前にスイーツのまち神戸へ移住。カフェで働きながら開業準備を進め、神戸で定期的に開かれているEAT LOCAL KOBE FARMERS MARKETなどイベントにも定期的に出店、6年前に現在の工房兼店舗を構えました。

商品のラインアップは、季節の素材を用いたタルトやシフォンケーキ、プリン、クッキーやサブレといった焼き菓子など、週替わりで20種ほど。「叔母が手間暇かけて育てたコシヒカリを製粉した米粉や、同じ田原市の農家さんが手がける玄米粉がベースになっています」と横田さん。

ケーキやクッキー生地には米粉、タルト生地には香ばしさが際立つ玄米粉と使い分けているそう。いずれも小麦粉に比べ軽い食感が特長で、アレルギー対策はもちろん、消化が良く胃もたれしにくい点も、健康意識の高い人たちから支持されています。

米粉以外の素材も淡路市にある北坂養鶏場の鶏卵や神戸市西区産のイチジクなど、こだわりがうかがえます。「イベントなどで知り合った生産者さんや田原で農業をする知人とのつながりを生かした材料選びをしています。お菓子にその人たちの思いを乗せ、笑顔の輪を広げていけたら」と横田さん。これからも故郷の米を軸に、数々の縁でつながった生産者の農産物を組み合わせた “作り手の顔が見えるスイーツ”を生み出していきます。

焼き菓子は、押し花にしたエディブルフラワーをあしらった「お花のアイシングクッキー」(240円~)や、サツマイモを模した「お芋のサブレ」(340円)など約10種。
9~10月は神戸いちじくを使ったスイーツが豊富。焼き込み系の「いちじくのキャラメル焼きタルト」(430円)や、フレッシュな果実を堪能できる「いちじくのタルト」(530円)が人気。

店舗の営業日は週2日にとどめ、週末を中心に神戸はもちろん、全国各地のイベントに出展しているという、バイタリティーあふれる横田さん。

アトリエ キヌン.
神戸市中央区中山手通7-20-12 泰平ビル1F東
TEL:090-9981-0917
営業時間:12:00~17:00(売り切れ次第閉店)
営業日:木曜、金曜
アクセス:地下鉄「大倉山」駅から徒歩約10分
オンラインショップ:https://komekosweetskinun.shop/

有機栽培の山田錦の魅力を堪能するスイーツ(田田田堂)

同じ米でも酒米を用いたスイーツを手がけるお店もあります。神戸・御影に店舗を構える「田田田堂」は、お米の新たな楽しみ方を提案する、お米スイーツの専門店。「娘の食物アレルギーがきっかけでこの事業を始めました」と話すのは、オーナーの西田智祐さん。製造は妻の晴美さんがスタッフ数人と共に担当。娘のために料理教室に通ってアレルゲンの食品を除いた食事「除去食」を学び、小麦、卵、牛乳など7大アレルゲンを使わず、動物性の食品も避けたプラントベースのスイーツを開発しました。

まずはオンラインショップで販売し、今年4月に実店舗を立ち上げたところ、食物アレルギーの人はもちろん、ヴィーガンやグルテンフリーを実践する人々からも人気を集めるように。当初は熊本産のうるち米「ミズホチカラ」を使っていましたが、3年前、知人の紹介により兵庫県多可町で酒米「山田錦」の有機栽培に取り組む農家に出合いシフトチェンジしました。「うるち米より粘りが少なくサクサク。膨らみが良く、豊かなうま味が特長です」

商品は、旬のフルーツなどを用いたタルト、優しい甘さのガレット、塩を利かせておつまみにもなるサブレといった焼き菓子、米にこうじを加えて発酵させた甘酒をベースにしたジェラートなど多岐にわたります。

「私たち日本人はお米に育まれてきました。いま一度その魅力を見つめ直し、スイーツなどを通してさらなる可能性を探っていきたいです」と西田さん。11月以降は、焼き込み系のタルトやバタークリームサンドなど新商品が続々登場するそうなので、お見逃しなく。

「神戸いちじく」(880円)、「ナガノパープル」(780円)、「シャインマスカット」(880円)など、みずみずしい果実が目を引くお米のタルト。

焼き菓子は、四角い「山田錦のサブレ」(500円)、丸い「山田錦のガレット」(500円)、球状の「山田錦ボール」(500円~)の3タイプがあります。

厳選したフルーツや有機栽培の抹茶などを使用した「お米のジェラート」(400円~)は、全8種。

もともとはマヌカハニーの輸入販売をメインに手がけていた西田さん。当時のお客さんたちもスタッフの一員になり、「田田田堂」を通してお米スイーツの魅力発信に力を注ぎます。

田田田堂
神戸市東灘区御影郡家1-23-12
TEL:078-855-3358
営業時間:11:00~18:00
営業日:水曜
アクセス:阪急「御影」駅から徒歩約10分
HP:https://tatatado.jp/
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