ゲストハウスのバーで国産ビールを

みずみずしい緑と店先にともるランプが目印の「Kobe Guesthouse & Bar Minato Hutte」。神戸・二宮にあるゲストハウスの1階で営業しています。オーナーの橋本健寿さんは旅行が趣味で、行く先々のビールを飲むうちにクラフトビールと出合いました。6年前に夫妻の夢だったゲストハウスをオープンするに当たり、「クラフトビールを扱うと独自性があって面白いだろう」と考え、ビアバーを併設することにしたそうです。

全国各地で醸造される4種のクラフトビールを常時提供し、1週間ほどで空になると、メニューで予告している新しい銘柄に切り替えます。ゲストハウスは海外からの観光客が大半を占めることから、日本の味を堪能してほしいという思いもあって、国内産ビールに限定。山梨県の「うちゅうブルーイング」や東京都の「VERTERE」など、醸造所へ直接足を運び、飲んで気に入ったものから厳選。クラフトビールを目当てに宿泊先に選ぶ人も多いといいます。 「コロナ禍での休業期間にも、全国を探し回りました。これからも新しい種類を開拓し、クラフトビールをPRする活動もしていきたいです」

オリジナルの設備から泡のない状態で

整体院だった建物をDIYリフォームし、カウンターも手作りの「下手の横好き」は、「へたよこ」の通称で常連客に親しまれています。オーナーの森さんは店を構えるための修業先でIPAを知り、個性際立つ味に夢中になったといいます。そこで海外のIPAを中心とした、森さんの好みを反映した9種類をラインアップ。「フルーティーでしっかりした味、苦みのある銘柄、どっしりとしたものなどを扱っています」

大切にしているのは、開栓後もしっかりと品質を保つこと。秘密は自動車整備士の資格を持つ森さんが試行錯誤して作ったノウハウが詰まったサーバーにあります。冷蔵庫内にタップを収め、2℃の環境で保管することで、新鮮な味わいをキープしています。また、「ビールの味をダイレクトに堪能してほしい」という思いから、泡のない状態で提供するのも特徴。通常よりも細い管を使用し、ガス圧を計算して、ビールの特性や味わいに応じた微調整を行うと共に、管内で発生するロスを減らしています。

常連客の中にはいろいろな種類を楽しむ人もいれば、お気に入りだけを飲み続ける人も。「まずは一度飲んでみてください。足を踏み入れた先には、自由度の高い個性的なビールとの出合いがあるはずです」

世界のビールを昼間からゆっくりと

阪急「西宮北口」駅に程近い「Beer Cafe Barley」の扉は、奥深いビールの世界への入り口です。ベルギービールをはじめ、世界6カ国のビールを常時80種以上用意。「醸造品質の良いものを厳選しています。日本のビールは苦いと感じている人にこそ、甘いものから酸味のあるものまでそろう世界のビールを味わってほしい」とオーナーの服部和夫さんは話します。

メニューにはそれぞれの味わいの系統、色、度数、こくを説明文や数値で記載。自分の好みの傾向を知り、次に飲む種類を選ぶ際の指標にすることができます。いろいろな種類を試すことで好きな系統やスタイルを見つけ、広げていけるそう。「度数は低いものから高いものへと上げていき、色は薄いものから濃いものへと変えていくと、味の違いがよく分かります」

13：00から営業する理由は、ドイツやベルギーなどのビールの本場と同じように、昼飲みの文化を楽しんでほしいという思いから。読書をしながらゆっくりと飲んだり、好きなものをさくっと一杯飲んだり、思い思いの午後の過ごし方をかなえてくれます。