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揚げパンで子どもたちを笑顔に

阪急「芦屋川」駅の程近く、青空と山、白い犬のイラストが描かれた看板が目印の「芦屋あげパン パイクとそら」では、店頭に募金箱を設置。集まったお金を基に140個の揚げパンを作り、毎月最終水曜に母子生活支援施設や自立援助ホームへ届けています。

地域に恩返しできることを

同店は2019(平成31)年にオープンし、「あん」「クリーム」「芦屋カレー」など5、6種の揚げパンを販売。イートインスペースでは、飲み物やソフトクリームも提供しています。

「客層は多くが地域の人たちです。いつも支えられているので、地域社会のために何か恩返しをしたいと思っていました」と店主の川端輝彦さんは話します。

ある時、「不要」と言われたお釣りをためて子どもに1食分サービスするラーメン店の存在を知り、揚げパンで同じようなことができないかと思い付いたそう。来店者に寄付を募り100円につき揚げパン1個を寄付するという提案を、神戸市にあるドメスティックバイオレンス(DV)被害に遭った母子など約20世帯60人が入居する母子生活支援施設に持ちかけました。同意を得ると、2020(令和2)年に「笑顔のあげパンプロジェクト」を開始。その後、さまざまな理由で家庭に居場所のない15歳から20歳までの若者が暮らす自立援助ホームも加え、現在は神戸市と芦屋市の3施設に届けています。

揚げパンの数は昨年から、募金額にかかわらず毎月140個に固定しました。募金額は毎月1万5,000円から3万円ほどになり、そのうち1万4,000円を材料費に充て、不足分は店が負担しています。残額はプールし、施設が必要とする物をプレゼントすることも。これまでに電動自転車、修学旅行用のバッグ、生まれてくる赤ちゃんの哺乳瓶や肌着などを贈りました。また、学校の長期休暇には施設の子どもたちを店に招き、揚げパン、ジュース、ソフトクリームの食べ放題といったイベントも開催。「揚げパンを8個も食べた子がいました。喜ぶ姿を見ると、どんな願いもかなえてあげたくなります」

サクサク食感の揚げパンは1個210円~。店名の由来にもなった亡き愛犬「パイク」のイラストが店内の至る所に描かれています。
施設から届いた喜びの声。

徐々に広がる支援の輪

川端さんの思いは徐々に周りへも伝わり、繰り返し募金をしてくれる人も。活動に賛同した地元の書店「大利昭文堂」は毎月、本を寄贈してくれます。常連客である絵本講師の協力を得て、揚げパンを届けた際に絵本の読み聞かせもするようになりました。 小さな個人店でも無理なく支援活動を続けられることを発信し、同じような取り組みの輪を広げていくことも川端さんの目標の一つです。「どのようにすればよいか」と相談を受ける機会が増え、自身の経験を基にノウハウを伝えているといいます。

「一人一人の寄付金が積み重なることで、身近で苦しんでいる人に手を差し伸べることができます。食べ物に限らず文房具や衣類など業種に関係なく取り組めるので、支援活動を始めたいと考えている店主さんたちの背中を押せればいいなと思います」

募金額の用途はInstagramで報告しています。また、不用になった衣服の回収箱も設置し、集まれば施設に届けています。
プロジェクトを物語にした絵本「地球が優しさにつつまれる時」を制作し、YouTubeで読み聞かせ版を配信しています。
芦屋あげパン パイクとそら
芦屋市東芦屋町5-8
TEL:0797-61-5835
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜、水曜
アクセス:阪急「芦屋川」駅から徒歩すぐ
Instagram:https://www.instagram.com/paikutosora/
マップ:https://maps.app.goo.gl/HQTkrRoXhMwt3suH9
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