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元公邸料理人の味②和心料理 Takasaki

世界各国に赴任した大使や総領事が暮らす日本国大使館・領事館の専属料理人を「公邸料理人」と言い、現地の要人や諸外国の外交官、日本からの来賓などをおいしい料理でもてなすのが仕事です。神戸・阪神間で活躍する元公邸料理人とその味を紹介します。

世界の要人たちに繊細な日本料理を提供

芦屋のモダンなビルの2階に、かつて3カ国の日本国大使館で活躍した高﨑智浩さんが2012(平成24)年に開業した和食店「和心料理 Takasaki」はあります。

高﨑さんが料理の道に入ったのは22歳の時。奈良県で生まれ育ち、大学卒業後に調理の専門学校へ。卒業後は大阪の一流ホテルの和食部門で10年修業、2001(平成13)年に公邸料理人の求人を見つけて登録すると、すぐにオランダの大使館での仕事が決まります。

現地では和食の食材を入手するのに苦労したそう。「同じ野菜でも日本と種類が違うので、扱い方に戸惑うこともありました」と振り返ります。3年後、今度はロシアでの依頼が。3年間職務に就きます。「厳しい気候で食材が限られ、思ったものをなかなか作れませんでした」。それでも大使に腕を見込まれ、次の赴任地フランスへも同行することに。フランスでは2年半、毎日のようにパーティーが開かれ、舌の肥えた要人たちに多彩な品で和食の魅力を伝えました。とりわけ思いで深い品が、今も店の看板メニューに掲げる「フォアグラ羽二重蒸し」(1,210円)。フランスの特産品フォアグラを和食に取り入れたいと考え、茶碗蒸しに似た「フラン」というフランス料理を参考に考案したといいます。口に運ぶと、フォアグラ、卵、だしの絶妙なハーモニーが広がり、すーっと溶けていきます。その優しく上品な味わいは、一度口にすれば虜(とりこ)になること必至。その頃から客人に合わせた料理も意識するようになり、「体調が優れない方にはだしを生かした優しい味付けにするなど、心を配りました」と話します。

帰国後開店した「和心料理 Takasaki」でも当時の思いを忘れず、夜は原則1日1組に限定し心を込めたもてなしを続けています。「Takasaki 料理長おまかせコース」(9,900円)、「Takasaki ごはんのつかないコース」(7,700円)のほか、アラカルトにも応じています。

今春からは週3日、ランチもスタート。約10種の料理を豆皿に盛り付けた「一の膳」と、季節の天ぷら、炊き込みご飯、赤出汁、香の物による「二の膳」で構成された「御膳盛りランチ」(5,500円)を提供しています。愛らしい豆皿にのる手の込んだ品々は、目でも楽しめ、和食の奥深さを感じさせてくれます。海外の食通たちをうならせた繊細な品々を、一度味わってみませんか。

「赤牛の牛筋の煮込み」「桜鱒の幽庵焼き」「紫芋と新玉葱のポテトサラダ」など旬の食材をふんだんに取り入れた料理が並ぶランチの「一の膳」(料理の内容は季節に応じて変わります)。
「フォアグラの羽二重蒸し」は、一見普通の茶碗蒸しに見えて、口に運ぶとそのこくと滑らかさに驚かされます。アラカルトでも注文可能。
「来店のたびに次回の予約をしてくださる常連のお客さまも多く、ありがたいです」と話す高﨑さん。
和心料理 Takasaki
芦屋市川西町1-2 vivo芦屋2F
TEL:0797-80-7858
営業時間:12:00~14:30(水曜~金曜のみ)、16:00~22:00(L.O.21:00)※要予約
定休日:月曜、火曜
席数:カウンター5席、テーブル14席
アクセス:阪神「芦屋」駅から徒歩約10分
HP:https://wagokoro-takasaki.com/
マップ:https://maps.app.goo.gl/hotkGimMxwudaz5h7
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