すし屋のこだわり卵料理③寿し花板
すしのネタといえば、新鮮な魚介が中心ですが、海の幸と共に“いい仕事”をしているのが卵です。個性あふれる握りずしと、すしを盛り立てるユニークな茶碗蒸しなどを紹介します。
大阪発祥の郷土料理「小田巻き蒸し」
うどんの入った茶碗蒸し「小田巻き蒸し」は、大阪の郷土料理。かつては家庭でも料亭でも出されていたものの、今では目にする機会はほとんどなくなりました。そんな貴重な卵料理をすしと一緒に味わえるのが、神戸市灘区の住宅街に住居兼店舗を構える「寿し花板」です。
店主の片山裕一郎さんは若い頃大阪市内で修業を積み、1993(平成5)年に三宮で独立。その際、一般的な茶碗蒸しと共にメニューに加えたのが、小田巻き蒸しでした。「子どもの時、大阪生まれの母がよく作ってくれました。ちょっと変わったものを、と思って店でも出してみたら好評で」。以来、2018年に現在の場所に移転した後も、定番メニューに名を連ねます。
だしは上質な昆布とかつお節を惜しみなく使い、卵と調味料を加え、讃岐うどん、シイタケ、かまぼこ、さらには白身魚も入れ、だしのうまみにさらに深みをもたせています。「極めて基本に忠実に作っています。だしのおいしさを感じていただけたら」
単品(880円)のほか、ランチ限定の「懐かしの逸品、小田巻き蒸しセット」(2,750円)でも提供。煮びたしなどのつき出しに始まり、時には自ら釣り上げた魚を用いた季節の魚の握り5貫と細巻き3貫が続き、最後に小田巻き蒸しが出てきます。箸を入れると、生地の隙間から澄んだだしがすーっと流れ出てきます。「こういう昔からの料理もあることを皆さんに知ってもらえたら」と片山さん。伝統的な地域の食文化を季節感あふれるすしと共に人々に伝えます。
寿し花板
神戸市灘区大石東町5-7-6
TEL:078-801-8741
営業時間:11:30~14:00、17:30~22:30
定休日:不定休
席数:カウンター8席
アクセス:阪神「大石」駅から徒歩約5分
神戸市灘区大石東町5-7-6
TEL:078-801-8741
営業時間:11:30~14:00、17:30~22:30
定休日:不定休
席数:カウンター8席
アクセス:阪神「大石」駅から徒歩約5分