名家から寄贈された壮麗な雛人形
日本酒「福寿」の醸造元「神戸酒心館」では、2月26日(木)から3月3日(火)まで、恒例の「雛人形展2026(神戸酒心館)」を開催。“筑豊の御三家”の一つから寄贈された、昭和初期の雛(ひな)人形を見ることができます。
伝統技術の粋が詰まった逸品
「神戸酒心館」へは、阪神「石屋川」駅で降り、南へ歩いて約10分。杉玉が下がる長屋門をくぐれば、中庭を囲むように4つの蔵が立っています。そのうちの一つが、阪神・淡路大震災後に江戸期の梁(はり)を生かして再建された「豊明蔵」。多目的ホール「神戸酒心館ホール」として活用されており、雛人形展の会場になります。
展示されるのは、かつて福岡県筑豊地域で炭鉱経営により一時代を築いた貝島家の雛人形です。創業者の末弟、貝島嘉蔵氏に始まる高宮貝島本家の3代目当主が、長女の初節句に当たり、京都の老舗人形店「丸屋」(現「丸平大木人形店」)であつらえたもので、名匠とうたわれた五世大木平蔵氏の手により1940(昭和15)年に出来上がりました。
平安王朝の装束を細部まで再現した有職雛で、随身や仕丁までそろえた15人ぞろいの絢爛(けんらん)豪華な逸品。気品に満ちあふれ、西陣織の衣装や精巧なつくりの道具が華を添えています。「屏風や几帳などの室礼の道具から、重箱、化粧道具、御籠、御所車に至るまで、全てに家紋が入った別注品です」と話すのは、神戸酒心館 広報部の幸徳伸也さんです。人形セットがあまりにも大型だったため、25畳の床の間がある2代目当主の邸宅でしか飾ることができなかったという逸話も残っています。「今では貴重な文化財となっている、伝統技術の粋を集めた雛飾りをぜひご覧ください」
古来桃の節句には、日本酒に桃の花を浮かべた「桃花酒(とうかしゅ)」を飲む風習があるとか。3月1日(日)から3日(火)に敷地内にある『蔵の料亭 さかばやし』へ来店した人には、振る舞い酒が用意されます。華やかな伝統工芸品を鑑賞した後に日本酒を一献。酒蔵ならではの雛祭りを楽しみましょう。


日時:2月26日(木)~3月3日(火)11:00~16:00(最終日は15:00まで)
会場:神戸酒心館ホール
入場料:無料
神戸市東灘区御影塚町1-8-17
TEL:078-841-1121(神戸酒心館事業部)
営業時間:蔵元ショップ東明蔵10:00~18:30、蔵の料亭 さかばやし11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~21:00(L.O.20:00)
定休日:なし(「さかばやし」は水曜)
アクセス:阪神「石屋川」駅から徒歩約10分
HP:https://www.shushinkan.co.jp/
マップ:https://maps.app.goo.gl/2nqcast2GhTMN59A7
隠れ蔵で味わう季節の料理と和菓子
「神戸酒心館」を後にし、国道43号を東へ。道沿いの老舗和菓子店「御菓子司 虎屋吉末」の北隣に同店が営むカフェ「Manan」があります。明治末期に建てられた蔵をリノベーションし、土壁をそのまま残した店内では、熟練の職人が丹精込めた和菓子を味わうことができ、ランチタイムには旬の素材を使った月替わり料理「季節の竹籠御膳」(3,300円)も楽しめます。
3月のメニューは、桜鯛と菜の花の天ぷら、アスパラガスの肉巻き、エビと水菜のサラダ、赤カブラのあえ物など7品。さまざまな形の器に盛り付けられ、竹の籠に収まっています。中央には、ホウレンソウのおひたし、サーモンの白ワイン蒸し、チーズを重ねてひし餅に見立てた料理も。いずれも、素材の持ち味を生かした上品で優しい味わいです。
御膳には「御菓子司 虎屋吉末」の和菓子が付いており、桃の節句の時季は6種から選ぶことができます。添加物や保存料などは一切使用せず、見た目、味、素材、名前など全てに季節を織り込んだ和菓子はまさに芸術品。食べるのがもったいないほどの美しさです。 歴史を感じさせる隠れ家ならぬ隠れ蔵で早春の味覚を堪能する-。大人の雛祭りにふさわしい穏やかな時間になりそうです。



神戸市東灘区御影本町4-1-25
TEL:078-855-2099
営業時間:11:30~17:00(L.O.16:30)〔木曜、金曜はL.O.21:00〕
定休日:火曜、水曜
席数:テーブル20席
アクセス:阪神「御影」駅から徒歩約5分
Instagram:https://www.instagram.com/manan.mikage/
マップ:https://maps.app.goo.gl/4myfNBfrFrJ7PZmB9