プレゼントしたくなる本が見つかる書店

神戸市垂水区、塩屋に立つ空き家をリノベーションした文化複合施設「海角(うみかど)」の一画にある「舫(もやい)書店」では、昨年から「サン・ジョルディの日」にちなんだイベントを開催。店内には1日限定の特設コーナーも登場します。

人と本がつながる場所でイベントを実施

同店の店名は、船着き場に船をつなぐ舫綱(もやいづな)に由来しています。店を船着き場、お客を船に例え、「人と本がつながる場所になるように」という店主の有吉結子さんの願いが込められています。有吉さんは2023(令和5)年11月に同店をオープンする前には、図書館司書をしながら古本市や読書会などを手がけてきました。現在も店舗では読書会や不定期の催しを開いています。

2024年4月には、本に関するイベントを共同で行っていた神戸・元町のカフェ&ギャラリー「toiro(といろ)」の店主から声がかかり、三木市のフラワーショップ「花屋ぼたん」も交えて、「サン・ジョルディの日」に合わせたイベントを約1カ月にわたり開催しました。期間中は普段受け付けていないプレゼント包装を特別に実施し、「花屋ぼたん」が制作したドライフラワーのオブジェを店内に展示。さらに、「舫書店」の本を他の2店でも販売しました。「あまり知られていない『サン・ジョルディの日』を知ってもらえる機会になりました」と有吉さんは振り返ります。今年は4月23日(水)限定で本の特設コーナーを作り、「花屋ぼたん」のポップアップショップで季節の花を販売する予定です。

昨年のイベントでは、「花屋ぼたん」のドライフラワーのオブジェと一緒に本をディスプレー。
「花屋ぼたん」での昨年のイベントの様子。

大切な人に本を贈る

普段あまり本に興味がない人にとっても本を知るきっかけになる「サン・ジョルディの日」。プレゼントには肩の力を抜いてリラックスできる写真集や、寝る前に手軽に読める詩集などもおすすめだそう。「本を贈る時は相手のことを考えて、気持ちを込めて選んでください。本を探す時間も楽しいですよ」と有吉さんは話します。

静かに本と向き合えるこぢんまりとした店内には、有吉さんが厳選した新刊や古本が並びます。地元の塩屋に関する本や、近くに台湾の料理店や雑貨店があることから選んだ台湾関連本、近年注目を集めるアジアの作家の作品など、独自の視点で選定された本と出合えます。お客と店主の距離が近いのも小規模な書店ならではの魅力で、どんな本がいいか迷った時は気軽に相談できるのも心強いポイントです。

日常から離れて本の世界に浸れるような一冊を探し、大切な人にプレゼントしてみませんか。

有吉さんが「サン・ジョルディの日」の贈り物に薦める4冊。左上から時計回りに「遠くから見たら島だった」(2,640円)、「作家とおしゃれ」(2,200円)、「深呼吸の必要」(682円)、「ひとりみんぱく」(3,520円)。
一人で店舗を切り盛りする有吉さん。ふとした会話からその人が求めているものを考え、相性の良さそうな本を紹介することもあるそうです。
店内には2,500冊ほどの本があります。
塩屋地区唯一の書店として住民から親しまれています。
舫書店
神戸市垂水区塩屋町3-8-2
営業時間:12:00~18:00
定休日:月曜、火曜
アクセス:JR「塩屋」駅または山陽「山陽塩屋」駅から徒歩すぐ
Instagram:https://www.instagram.com/moyaishoten/
マップ:https://maps.app.goo.gl/DroKNemQi16RMV759
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