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美術作品と庭園が楽しめる街のオアシス

阪神「香櫨園」駅から南西へ約5分歩くと「西宮市大谷記念美術館」があります。多くの車が行き交う国道43号のすぐそばにありながら、そこだけ時が止まったかのように静謐(せいひつ)をたたえる美術館は日本庭園も見どころです。美術作品と合わせて、四季折々に違った表情を見せる自然の芸術品をゆっくり観賞しましょう。

建物を取り囲む本格的な日本庭園

「西宮市大谷記念美術館」は、昭和電極(現SECカーボン株式会社)の元社長、故大谷竹次郎氏から西宮市に寄贈された土地や建物、美術作品を基に1972(昭和47)年にオープン。日本近代洋画、近代日本画、フランス近代絵画を中心とした当初のコレクションに加えて、阪神間を中心とする美術家の作品や版画の収集に努め、現在は約1,300点を収蔵しています。テーマ別にコレクションを公開する館蔵品展や毎年恒例の「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」など、年間5回ほどの展覧会を開催。地元はもとより、関西一円から多くの美術ファンが訪れます。

同館の楽しみは美術鑑賞だけではありません。ロビーに一歩入ると、まるで屏風絵のような緑の庭園がガラス窓の向こうに現れます。見事な枝ぶりの樹木や大小の庭石、小規模ながら池や滝もある本格的な池泉庭園です。

1991(平成3)年の全面的な増改築工事に併せて、建物を取り囲む形で作庭。石灯籠や石塔、巨大な赤石や青石など大谷家から引き継がれたものも残しています。「庭園は、ロビーから望む眺めが正面となるように設計されたと聞いています」と学芸員の内村周さん。展覧会と展覧会の間を縫っての定期的な手入れは、30年ほど前に造園した業者が引き続き担当しているそうです。

庭園内の水は循環しており、滝から池へと清らかな流れが続いています。
気軽に訪れてもらえるよう、展覧会会期中は庭園を無料開放しています。
右手の和室は、旧大谷邸の離れを改装したもの。

庭園の景色と調和する11点の美術作品

庭園には元永定正や山口牧生、津高和一、岡本太郎といった現代の美術家の彫刻作品11点が点在しています。ベンチとしても使えるカラフルなオブジェや渋みのある石彫など、いずれも周囲の景色と調和しており、自然と作品のコラボレーションを楽しむことができます。「順路に沿って散策すれば、最後に岡本太郎さんの作品に出合えます。逆方向から進むと見落とすかもしれませんので気を付けてください」と内村さんは笑顔を見せます。

また、1月のロウバイに始まり、ウメ、サクラ、アジサイ、サルスベリ、シコンノボタン、サザンカと季節の花が咲き匂い、いつ訪れても自然の息吹を感じさせてくれます。カエデやオウゴンカシワなど色づく木があり、これからの時季は紅葉も。開花や紅葉の情報は公式Facebookで発信しているそうです。

11月26日までは、江戸時代の仏画を紹介する「画人たちの仏教絵画-如春斎再び!-」を開催中。この秋は、街なかのオアシスともいえる美術館で、芸術鑑賞と庭園観賞を同時に楽しんでみませんか。

山口牧生「いとけなきものの舟」2001年
元永定正「くるくるぐりーん」2002年
岡本太郎「午後の日」1967年

西宮市大谷記念美術館
西宮市中浜町4-38
TEL:0798-33-0164
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜(祝休日の場合は翌平日)※展示替え期間など臨時休館あり
入館料:展覧会により異なる
アクセス:阪神「香櫨園」駅から徒歩約5分
HP:http://otanimuseum.jp
マップ:https://maps.app.goo.gl/L4j6Z7EkvS3J3bMU8
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