ネコをモチーフに味にもこだわった生ケーキ

大きな黒ネコが描かれた看板とガラス窓が目を引く店構え。扉を開けると、そこは鳴き声まで聞こえてきそうなほど、ネコ一色の世界です。ショーケースには、クロネコ、シロネコ、トラネコ、大きなホールケーキも含めると十数種、100匹を超えるネコの顔をかたどった生ケーキやパフェなどがずらりと並び、つぶらな瞳でこちらを見つめてきます。

同店は、尼崎・武庫之荘に本店を構えるパティスリー「リビエール」で修業を積んだ柏堂肇さんと妻の彩加さんが、2019（令和元）年11月にオープンしました。「当初は普通のケーキが多かったのですが、ネコの商品が好評だったので種類を増やし、昨年からは全てネコの商品にしました」と話すのは、パッケージなどのイラストも手がける彩加さん。

ラインアップは、季節やイベントに合わせさまざま。夏はレアチーズケーキのペルシャネコ「ぺるしゃさん」、秋はモンブランのもふもふした「にゃんぶらん」、「こどもの日」にはかぶとをかぶらせクリスマスはサンタ風に、「猫の日」には垂れ耳などの特別バージョンと、一年を通してバラエティーに富んだネコたちに出合えます。

ギフトにぴったりのバラエティー豊かな焼き菓子

ギフトにも喜ばれそうな焼き菓子のクオリティーの高さも見逃せません。ネコの顔を細部にまでこだわり模した「ねこさんクッキー」、温かみのある手描きのイラストにほっこり心和む「プリントクッキー」などがあります。おすすめは、8月にリニューアルしたばかりの「猫缶」です。プレーン、ココア、アイシングなど多様なクッキーが一缶にぎっしりと詰め込まれ、店頭に並べるとすぐに売り切れるという人気ぶり。「焼き菓子は新商品の構想もあるのですが、忙しくてなかなか着手できなくて」と苦笑いする彩加さん。それもそのはず、普通のデザインより細かな工程がいくつも加わりますが、製造は夫婦二人だけ、しかもほぼ手作業で行っています。

昨年、ＳＮＳをきっかけに全国的に認知度が高まり、開店前から行列ができるように。週末は販売開始後1時間足らずでショーケースが空になることも珍しくありません。「県外から通ってくださるリピーターの方もいて、ありがたい限りです。これからも、かわいくておいしい商品を提供していきたいと思います」

いつまでも眺めていたい、食べるのがもったいないネコさんたち。行列覚悟でお気に入りの子を連れ帰り、甘～い至福のひと時を過ごしませんか。