“捨てるなんてもったいない”食品が集まる店
阪急「塚口」駅に程近いマンションの1階、食品ロス削減ショップ「ecoeat」阪急塚口店の看板には、「これを捨てるなんてもったいない。」と書かれています。食品衛生上問題のない廃棄予定の食品を安く販売する同店。売上金は、運営団体であるNPO法人日本もったいない食品センターの活動費に充てられています。
廃棄予定の商品を仕入れて廉価で販売
ペットボトル入りジュースや粉末スープ、レトルトパックの鍋つゆ、チョコレート、グミ…。「ecoeat」阪急塚口店は多彩な食品が陳列され、さながらコンビニエンスストアのようです。商品は全て、同店を運営するNPO法人がメーカーや商社、小売店から買い取ったり、もらい受けたりしたもの。パッケージの印字ミス等の欠陥品、販売店からの返品、販売期限や賞味期限が近いもの、納品用段ボールがひしゃげたものなど、廃棄予定の品々です。
「メーカーにしてみれば、思いを込めて作ったものですから捨てるのはしのびないし、廃棄するにもコストがかかります。私たちが仕入れることで気持ちが楽になり、コストも減るわけです」と言うのは、店長で同法人の理事を務める井上浩司さんです。仕入れた食品は全国に27店舗ある「ecoeat」で安く販売するほか、生活に困っている家庭に無償で提供しています。
友人である同法人代表理事の高津博司さんに誘われ、スタッフになったという井上さんは、店長試験を経て2019(令和元)年9月、同店をオープンしました。「養護施設に店のお菓子を持っていくと、それまで伏し目がちだった子どもたちが目を輝かせて喜んでくれます。うれしい半面、こんな現実があることに悲しくなります。貧困と食品ロスが共存する今の状況を少しでも是正できたらと思います」と話します。
一期一会の商品探しで社会貢献を
オープン当初は、賞味期限が近い商品イコール食べてはいけないものと誤解し、「体に悪いものを売るな」と言ってくる人がいたとか。最近は、賞味期限を過ぎてもまだ食べることができるという認識が広がり、常連さんも増えてきました。「まずは正しい知識を得ることが大切。その上で、食品ロスをなくそうと意識することが重要です」と井上さん。近所の小学校で、消費期限と賞味期限の違いについて講演することもあるそうです。
店内には、クリスマスのシャンパン風ドリンクやバレンタインデー用のチョコレートといった季節限定商品や海外向け商品、百貨店の催事明け商品など、普段はあまり見かけないものも。「アンコウの肝の水煮缶やホテル向けの高級スープなど、掘り出しものもあります。同じ商品が再入荷することはあまりないので、試しに買ってみておいしかったら、次の日にまとめて購入する人が多いですね」と井上さん。食品ロスの削減と生活困窮者の支援につながる一期一会の商品探し。「ecoeat」での買い物を日常に加えてみませんか。
尼崎市塚口町1-17-8 ベルメゾン塚口1F
TEL:06-4950-7355
営業時間:10:00~19:00
定休日:なし
アクセス:阪急「塚口」駅から徒歩約5分
Instagram:https://www.instagram.com/ecoeat_tsukaguchi/
マップ:https://maps.app.goo.gl/5W7pd9XjRbwuyg4KA