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あっという間に汚れを落とす

不入流神戸の染み抜き

「不入流(いらずりゅう)」は、高知県に本山を構える染み抜き技術の流派。創設者の5人目の弟子である大津哲浩さんは神戸市長田区に拠点「不入流神戸」を構え、技術の伝授に努めるとともに、染み抜きの依頼にも対応しています。

染みへのアプローチ法は1,200以上

拠点の一室に置かれた染み抜き用の機械には、ガンタイプのノズルが3つ。それぞれ、汚れを溶かす薬剤、吹き飛ばす超音波、洗い流すスチームが内蔵されています。大津さんは汚れた衣類をセッティングするやいなや、両手にノズルを持ち溶剤とスチームを同時に噴射。汚れの落ち具合を見ながら、ノズルを筆に持ち替えて漂白剤を塗ったり、別の薬剤が入ったスポイトボトルを取り出して加えたり。すると、ものの1分ほどで染みは消えてなくなりました。「染みの種類によって最適な薬剤や方法を瞬時に見極め、素早く処理をする。これが不入流の一番の特長です」と大津さん。ソースやしょうゆ、ワインをはじめペンキや血液など、膨大な種類の染みに合わせたアプローチ法があり、その数なんと1,200以上。門下生には、それらの全てを習得し、スピード感をもって対応する技量が求められます。

大津さんが不入流と出合ったのは40年ほど前。当時勤めていたクリーニング材料の販売会社が染み抜き講習会を開催した際、講師として創設者(祖主)の高橋勤さんを招いたのです。その人柄と技術にほれ込んですぐさま弟子入り。技の習得に努める傍ら、不入流を広めるために高橋さんを含めた10人ほどで全国を回るなど運営側の仕事もこなしました。 やがて、祖主を頂点とする5つの階位(祖主、玉聖、匠聖、師聖、師範)のうち、人に教えることや弟子を取ることが許される「師聖」を得て独立。2015(平成27)年には、常設の教室機能も備える拠点を構えました。

溶剤とスチームを同時に噴射。
スチームをかけながら筆で漂白剤を塗布。
汚れの落ち具合を見て別の薬剤を塗布。
最後に水ですすいでエアーと温風で乾かして出来上がり。

「染み抜きとは“無”である」

現在は、クリーニング業者を対象とした年10回(延べ20日)コースの教室を開催するほか、個人や事業所からの染み抜きの注文に対応。インターネット上での染み抜き実演のライブ配信や単発の講演活動も行っています。

「『染み抜きとは“無”である』という祖主の言葉があります。われわれの仕事は、染みを消し去り無かったことにすること。そこに技は存在しますが、成果物は何も残りません。でも、この無の技術を世の中は必要としています。誇りを持って、これからも不入流の伝承に励みたいと思います」と大津さんは話します。

染み抜き料金は生地の素材や汚れの種類によって異なり、1着につき1,000円~3,000円。不入流なら、たった1点の染みのためにクローゼットに眠ったままの洋服がよみがえること間違いなし。その驚きの技術は試す価値ありです。

「染み抜きは化学反応を利用した作業。薬剤に反応して染みがどんどん薄くなる様が面白いです」と大津さん。
染み抜きの依頼はホームページの問い合わせフォームから。直接持ち込む場合も、まずは電話で予約してください。
不入流神戸
神戸市長田区長田天神町1-1-1
TEL:090-3627-9870
アクセス:神戸市バス「名倉小学校前」下車徒歩すぐ
HP:https://irazuryu-kobe.com/
マップ:https://maps.app.goo.gl/T1qqmjyRqdRLEMfQ8
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