一日が幸せになる一汁三菜の「あさごはん定食」

神戸市民の台所、兵庫区の東山商店街に程近い「ごはん屋 たこ八食堂」は、1951（昭和26）年の創業。長年通うご近所さんや出勤途中のサラリーマンなどでにぎわう老舗の食堂です。

朝6時から10時まではほとんどのお客が、ご飯と味噌汁に、だし巻き卵、しらすおろし、漬物が付いた、朝限定の「あさごはん定食」（500円）をオーダーします。ご飯は、お米マイスター厳選の、その時季に一番おいしい米をふっくらと炊き上げたもの。味噌汁やだし巻き卵のだしは、煮干しで取っています。「初代店主の祖父の味を引き継いでいます。私が小さい頃から食べてきた懐かしい味です」と話すのは、3代目店主の小森正雄さんです。

4月の半ばまでは200円追加すれば、味噌汁を名物の「かす汁」に変更できます。ダイコンやニンジン、薄揚げ、こんにゃく、ちくわ、豚肉、魚の塩漬けが入った具だくさんで、酒かすのアルコール臭や魚の生臭さは一切なく、具材のうまみが融合した一杯。「初代が考えたメニューで、仕込みに2日かけています。この味を守りたいというのが、店を続けている理由の一つです」と小森さん。「おいしい朝ご飯で心も体も温まって、元気に一日をスタートさせてほしい」と笑顔を見せます。誰もがほっとする味わいの、まさに一日が幸せになる朝ご飯です。