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音楽に癒やされるカフェ

しっとりとした音楽が一層心に響く秋。クラシカルなレコードの鑑賞から若手音楽家による生演奏まで、多彩な音楽に出合えるカフェを紹介します。

多彩な音楽家の生演奏が間近で楽しめるサロン(クラシックサロン・アマデウス)

元町商店街の一角、地下へと続く階段を下りて重たい扉を開けると、そこは「クラシックサロン・アマデウス」。モーツァルトの故郷、オーストリア・ウィーンをイメージしたという店内には、50年近く使われてきたグランドピアノや蓄音機などが置かれ、壁際の棚には200枚近いLPレコードが並びます。

1932(昭和7)年「ウィンナ」の屋号でスタートした同店は、クラシック音楽を楽しむ「名曲喫茶」の草分け的存在。2度のオーナー交代を経て、音大生だった頃からピアノの演奏会の会場として利用していた八木良平さんが店を引き継ぎ、声楽を専門とする古川健太郎さんと店を切り盛りしています。

蓄音機からクラシックの名曲が流れる喫茶店では、定期的に生の音楽に触れられるイベントも。毎週水曜はピアノやマンドリンの生演奏をチャージ料なしで聴くことができる「水曜日のお茶会」、主に週末には若手を中心とした音楽家たちによるティータイムコンサート(ケーキセット付き3,000円)など、さまざまな演奏会を開催しています。他にも、ピアノ音楽の魅力をさまざまな角度から解説する「ピアノ音楽のラビリントス」や、店内のピアノを自由に演奏できる「ピアノ開放デー」など、さまざまなプログラムを月1回程度用意しています。「今後はノーチャージのお茶会を増やしていく予定なので、そこから気軽に参加していただけたら」と八木さん。

今や貴重な存在となった名曲喫茶として、音楽に気軽に親しめる場を提供し続けます。

前オーナーの時代からほとんど変わっていないという店内。演奏会では最大50人ほど収容できます。
ある日のピアノの演奏会。ステージを設けていないので、すぐ間近で鍵盤のタッチの様子も見ることができます。
人気の自家製「チーズケーキ」(500円)は、しっとりとした食感。ドリンクとセットで900円~。
ピアニストの八木さん(右)と声楽家の古川さん。時折イベントに登場することもあるそうです。
クラシックサロン・アマデウス
神戸市中央区元町通5-4-8 三木ビルBF1
TEL:078-599-9803
営業時間:11:00~17:00(L.O.16:30)
定休日:不定休
席数:カウンター4席、テーブル35席
アクセス:阪急「花隈」駅から徒歩すぐ

音大卒スタッフの生ステージが話題のパティスリー(レーブドゥシェフミュジック ブランチ神戸学園都市店)

神戸市西区のショッピングモール内に店を構える洋菓子店「レーブドゥシェフミュジック ブランチ神戸学園都市店」は、店のスタッフが生演奏を披露するユニークなお店。毎日13時、15時になると、それまで接客をしていたスタッフが店の奥に設けられたステージへ。約20分間、しっとりとしたクラシックからドラマチックな映画音楽、世界で愛されるディズニー音楽まで、幅広いジャンルの多彩な楽曲が繰り出されます。

運営する株式会社レーブドシェフは、社長夫妻が音楽好きなこともあり、創業40周年の節目を迎えた2年前に音楽事業部を発足。音大出身者をスタッフに迎え入れて地域の商業施設や保育園などで出張演奏を重ね、昨年3月、毎日生演奏を披露する同店をオープンしました。

現在は、ピアノを担当する店長の永野晶子さんをはじめ、バイオリンやクラリネットなどの奏者、声楽家といったスペシャリスト約10人が、1日2回、ソロまたはデュオでステージに立っています。「事前にレパートリーをいくつか用意し、その場のお客さまの年齢層などを見て曲を決めます」と永野さんは話します。

店内にはカフェスペースもあり、ケーキや焼き菓子をいただくこともできます。「音楽に乗って体を動かしたり、手拍子をしたりしてくださるのを見ると、うれしくなります。これからも子どもから大人まで皆さんに楽しんでいただけるステージを届けたいです」

おいしいスイーツとさまざまな専門分野の音楽家たちの演奏が、心豊かな時間をもたらしてくれます。

ピアノとバイオリンによる演奏風景。思わず口ずさみたくなる耳なじみの曲ばかり。楽器だけでなく声楽とピアノの回もあります。
ト音記号の形をした「ト音クッキー」(250円)は、同店舗のオリジナル商品。
秋のフルーツを取り入れた生ケーキ「和梨と葡萄のクリームタルト」(630円)。プラス600円でドリンクと焼き菓子付きに。
ガラス張りの開放感あふれる店構え。店のロゴには、クラリネットとフルートが描かれています。
レーブドゥシェフミュジック ブランチ神戸学園都市店
神戸市垂水区小束山手2-2-1
TEL:078-754-6362
営業時間:11:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:なし
席数:テーブル15席
アクセス:山陽バス「小束山手2丁目」下車徒歩すぐ

関西屈指のレコード枚数を誇る名曲喫茶(あいん こんつぇると)

西宮・仁川の川沿いにたたずむ名曲喫茶「あいん こんつぇると」は、関西屈指のレコード枚数を誇ります。クラシック音楽とコーヒーをこよなく愛する青年だった池田光蔵さんが病を経て、回復後にできる生業として46年前開業。5年ほど前からは体力的に店に立つことが難しくなった父に代わって、長男の捷さんが店主を務めています。

店内にあるいくつかの棚にはLPレコードがぎっしり。「ここにあるのはごく一部で、父のコレクションとお客さまから頂いたものを合わせると8,000枚ほどになります」と捷さんは話します。

レコードプレーヤーは、光蔵さんがターンテーブルをはじめとするパーツをカスタマイズして組み上げたこだわりのもの。今ではどれも入手するのが難しく、針の取り替えにも苦労するそうですが、光蔵さんの思いを大切に昔と同じ状態を維持しています。

また、音響にもこだわりがうかがえ、天井の中央部を見上げると、一部に窪みが設けられています。店内に流れる楽曲は、朝や夕方はピアノ、フルート、ハープといった静かな曲、昼間はダイナミックなオーケストラ曲が多いそう。

客層は80年代に通っていた若者が今ではシニアになり、約9割を占めています。「昔からの常連さんが多いので、今の形を変えずに残していくことが僕の使命です」と捷さん。夕暮れになるとオレンジ色の暖かな明かりが店内を包み込み、今日もまた、どこか懐かしいクラシカルなピアノ曲の調べが、しっとりと心地良い時を紡いでいきます。

音響を考えて設計された天井が特徴的な店内。クラシックの楽曲をBGMに書き物をしたり、読書をしたり、思い思いの時間を過ごします。
先代のこだわりが光るレコードプレーヤー。流す曲はその日の気分で捷さんが選んでいます。
オリジナルブレンドの「珈琲」(500円)と老舗「パンネル」の食パンを使ったサンドイッチ「エッグ+ボンレスハム」(750円)。セットで50円引きに。
住宅街の一角にある店舗。常連客から寄贈されたというコントラバスが目を引きます。
あいん こんつぇると
西宮市仁川町3-14-6
TEL:0798-52-7010
営業時間:9:00~19:00(L.O.18:30)
定休日:水・木曜
席数:カウンター4席、テーブル28席
アクセス:阪急「仁川」駅から徒歩約5分
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