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野山や街に春を探しに出かけよう

長い冬が終わり、野山や町にはちらほら春の兆しが感じられるように。この季節ならではの木々や草花、野鳥などに出合えるおすすめのスポットをピックアップしました。

森を散策し野鳥や植物で春を感じる(神戸市立森林植物園)

神戸市北区、六甲山の一角に広がる「神戸市立森林植物園」。針葉樹から広葉樹まで多彩な木々が植栽された自然豊かな園内を歩けば、麓の市街地ではお目にかかれない植物や野鳥を見ることができます。

3月から4月にかけては、日中の気温が高くなるにつれ次々と樹々が芽吹き、花が開く季節。とりわけ目を引くのは、春先に開花し、夏から冬が終わるまでは地中で過ごす「スプリング・エフェメラル」と呼ばれる植物群です。「“春の妖精”ともいわれ、ロックガーデンのエリアで紫色をしたカタクリやほんのり紫がかった白が可憐(かれん)なユキワリイチゲの花を観察することができます」と広報担当のスタッフは話します。3月20日(木・祝)~4月13日(日)の日曜と祝日には、「森林ガイドツアー」を実施。ボランティアガイドが約1時間かけてその時々の見頃の植物が咲く場所を案内、スプリング・エフェメラルにも出合えるかもしれません。

また、まだ葉を茂らせていない樹木が多いこの季節は、枝に止まった鳥を観察しやすくバードウオッチングにも最適です。同園では年間を通して奇数月の第2日曜の7時30分からと9時30分から、「日本野鳥の会ひょうご」の会員がガイドする探鳥会を開催。植物と違って動き回る鳥を見つけるのは難しいですが、探し方のポイントなどを教えてもらえます。「ウグイスやメジロといったおなじみの鳥のほか、眉と頬が白いホオジロ、明るい緑色をしたセンダイムシクイなどもいますよ」。野生味あふれる森で、鳥のさえずりに耳を澄ませながら、しばし“春探し”に興じてみませんか。

明るい緑色の背中とオレンジ色のくちばしが目を引くセンダイムシクイ。
早春に花を咲かせるユキワリイチゲ。
ぴんと反り返った花びらが特徴的なカタクリ。
神戸市立森林植物園
神戸市北区山田町上谷上字長尾1-2
TEL:078-591-0253
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜(祝休日の場合は翌平日)
アクセス:神戸電鉄「北鈴蘭台」駅前から無料送迎バスで約10分
入園料:大人300円、小・中学生150円
HP:https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/

春風を感じながらハンモックでのんびり(神戸布引ハーブ園)

神戸市中央区、三宮の山手からロープウエーで約10分、小高い山上にある「神戸布引ハーブ園」では、ハーブを中心に四季折々に多彩な植物をめでることができます。とりわけ春は、園内が最も華やぐ季節。黄色いミモザやハナナ、純白のコブシやモクレンなどが見頃を迎え、花によってはかぐわしい香りも楽しめます。

園内には100種以上のハーブがそろう「ハーブミュージアム」があり、3月15日(土)から毎日11時30分からと14時からの2回、ハーブの専門家による「ハーブガイドツアー」も。「それぞれのハーブの特徴はもちろん、活用法も学べます。無料で申し込み不要なので、お気軽にご参加ください」と広報担当の米谷弥生さんは話します。

また、ゴールデンウイークを除く6月末までは、草花を眺めながら同園オリジナルの洋風弁当を味わえる「ガーデンピクニックプラン」(2人前7,000円、1日10組限定、要予約)も実施。「重箱に入ったオリジナルのお弁当と焼き菓子を、ドイツワインと一緒に、屋外の飲食可能な場所で自由に召し上がっていただけます。レジャーシートやカトラリーも無料でレンタル可能なお手軽なピクニックプランです」

おなかを満たした後は、園内5カ所に計35基設置されているハンモックへ。桜の木の下や木立の中などロケーションが少しずつ異なり、無料で使用することができます。「おすすめは風の丘芝生広場のハンモックです。眼下には神戸の街並みと海のパノラマが広がります」と米谷さん。春風が優しくそよぐ中、読書をしたり、のんびりと昼寝をしたり、至福のひと時をもたらしてくれます。

黄色がまぶしいミモザ。爽やかでほのかに甘さのある香りが特長です。
風の丘芝生広場に設置されたハンモック。天気の良い日は絶景が広がります。
花壇には赤、黄、ピンクと明るい色のチューリップが競うように咲き誇ります。
神戸布引ハーブ園/ロープウェイ
神戸市中央区北野町1-4-3
TEL:078-271-1160
営業時間:10:00~17:00(季節によって変動あり)
定休日:なし ※強風・雷発生時、9月と2月に運休・休園日あり
アクセス:神戸布引ハーブ園ロープウェイ「ハーブ園山頂駅」下車すぐ
入場料(ロープウエー往復乗車料含む):大人2,000円、小・中学学生1,000円、未就学児無料
HP:https://www.kobeherb.com/

私邸の庭や市民花壇などを巡り花を愛でる(宝塚オープンガーデンフェスタ)

古くから「日本三大植木産地」として知られてきた宝塚市。とりわけ山本地区には多くの園芸・造園業者があり、地域を挙げて花と緑があふれるまちづくりに力を入れてきました。同地区では2001(平成13)年、園芸業者の女性たちの発案で同業者の圃場(ほじょう)や日本庭園を巡るオープンガーデンを実施。翌春からは「宝塚オープンガーデン」と銘打って、エリアを宝塚市全域に広げ、個人や団体を含め約100カ所の庭が一般公開されるようになりました。

2005年からは地元の園芸施設「あいあいパーク」が事業を継承、庭だけでなく市民花壇や街並みなども対象とし、特に優れた庭を表彰するコンテストを開くなど内容を充実させてきました。24回目を迎える今年は4月12日(土)~14日(月)と、5月10日(土)~12日(月)に実施。「お庭(一般)」「街並み」「市民花壇」「窓辺・バルコニー等プチガーデン」の4部門約70カ所が公開され、4月14日(月)、5月12日(月)には、3~4カ所を園芸アドバイザーの案内で巡る無料バスツアーも行われます(要予約)。第5回から携わってきたあいあいパークスタッフの藤江さんは「普段は入れない庭も見ることができ、庭づくりのヒントになるのはもちろん、運が良ければ庭主さんからも話が聞けますよ」と魅力を話します。

また、今年は駅から歩いてバラのきれいな庭を訪ね、朝ならではの花の香りを楽しむ無料イベント「アーリーモーニングガーデン&ウォーキング」も実施予定(要予約)。「通常の公開時間では体験できない朝ならではのバラの華やかな香りを堪能できます」と藤江さん。普段はなかなか味わえない貴重な機会、朝のすがすがしい空気を感じながら歩くのも、心身の癒やしとなりそうです。

バラやジギタリスなどで彩られた5月公開予定の庭。
バスケットなど小物を使って寄せ植えをしている庭も。
ベンチの置かれた市民花壇。4月はビオラやチューリップなどが咲く場所が多いそうです。
宝塚オープンガーデンフェスタ2025
日時:4月12日(土)~14日(月)、5月10日(土)~12日(月)10:00~16:00
※場所によって公開日時が異なるため、4月上旬からHPで公開し、阪急の駅でも配布するガイドマップで事前に確認してください
※無料バスツアー、アーリーモーニングガーデン&ウォーキングの申し込み方法はHP参照
TEL:079-89-5933(あいあいパーク オープンガーデン係)
HP:https://www.aiaipark.co.jp/watch/open-garden.php

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