神戸のバーテンダーが中心で開催するウイスキーイベント

神戸では2023(令和5)年から毎春、地元のバーテンダーが中心となったウイスキーイベント「WHISKY HARBOUR KOBE」が行われています。神戸のウイスキー文化を醸成するため始まった取り組みに迫ります。

全国から人が集まるイベントでまちににぎわいを

神戸は古くからバーが多く、現在は200軒ほどがウイスキーを提供しています。これまで一部の店舗が一緒に催しをすることはあっても地域ぐるみでの取り組みはなく、10年ほど前に全国各地で大規模なウイスキーイベントが始まったのを受けて2019(令和元)年、「神戸でも開催を」という声が上がりました。発起人の一人が神戸市中央区に店を構え、現在「WHISKY HARBOUR KOBE」の実行委員長を務める「The Nineteenth Bar」の宮森和哉さん。他府県のウイスキーのイベントをボランティアスタッフとして手伝った経験があり、「イベントに来た人がその土地で食事や観光なども楽しんで帰る様子を見て、神戸を活気づける機会になるのではと思い立ちました」と振り返ります。

早速近隣のバーテンダー10人ほどに声をかけ、イベント名を「WHISKY HARBOUR KOBE」と決めて実行委員会を結成。ウイスキーを扱う商社や酒販店などの協力も得て内容を固めていきました。ところが直後、コロナ禍に突入。やむなく延期し、収束が見えた2022年、まずは「北野工房のまち」(当時)でプレイベントを実施してから翌23年、第1回の開催にこぎ着けます。神戸港のすぐそばにある「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」の会場には、地元はもちろん全国各地から約1,700人が来場し大いに盛り上がりました。翌年の第2回は神戸市の後援を受けてPRを強化し、チケット2,000枚は早々に完売します。「約半数が県外からの来場者で、他府県のイベントと比べると若い人や女性の方が特徴です」

今年は神戸の有名バーテンダーによるカクテル提供も

3回目となる今年は4月20日(日)、例年通り「KIITO」で行われます。事前販売される入場チケットを購入すれば、ウイスキーメーカーや輸入業者による70を超えるブースで国内外1,000種以上のウイスキーを中心としたお酒を試飲したり(一部有料)、神戸のバーテンダーが提供するウイスキーをベースにしたカクテルを味わったり(有料)、セミナーで生産者によるウイスキー造りの秘話を聞いたり(別途申し込み必要)できます。

また、「ウイスキーコンシェルジュブース」では、飲み比べをして自分好みのテイストを見つけ、それに合うブースを教えてもらうことも可能で、初心者も安心です。

毎年人気を集めているのが「カクテルブース」。今回はカクテルの全国大会「サントリー ザ・カクテルアワード2024」で1位、2位に輝いた、神戸市中央区にある「Bar SAVOY hommage」の森崎和哉さんと「BAR SLOPPY JOE」の生田理実さんによるオリジナルカクテルがお目見えするそうです。

近年、全国各地で同様のイベントが増える中、宮森さんたちが目指すのは、利益を追求するのではなく、来場者はもちろんブースの出展者にも満足してもらえる催し。「イベントを通して、まちがにぎわい、全国の人にもっと神戸の魅力を知ってもらえたらうれしいです」と宮森さん。古くからウイスキーが親しまれてきた神戸で、再びウイスキー文化の熟成が始まりつつあります。

生産者や輸入業者と直接交流できるのも醍醐味の一つ(写真は2024年時の様子)。
セミナーでは、テイスティングなども交え、生産者の思いやこだわりを聞くことができます(写真は2024年時の様子)。
毎年抽選販売されている「WHISKY HARBOUR KOBEオリジナルボトル」(写真は2024年度版。2025年度版は近日中にHPで公開予定)。
チケットとセットで販売されているイベント名のロゴが入ったオリジナルグラス。
※写真は全て小針真悟さん撮影
ウイスキーハーバー神戸 2025
日時:4月20日(日)11:00~17:00(入場は16:30まで)
場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸(神戸市中央区小野浜町1-4)
入場チケット:4,500円(オリジナルグラス・グラスホルダー付きは5,000円)
※販売協力店では2月1日(土)、イープラスでは13日(木)から販売
HP:https://whiskyharbourkobe.com/

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