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毎月18日に御開帳される中山寺の観音様

阪急「中山観音」駅の北側にある中山寺は、聖徳太子が創建した国内最古の観音霊場と伝わり、子授け・安産のお寺として多くの参拝者が訪れます。本尊の木造十一面観世音菩薩立像は、毎月18日に御開帳されています。

「安産の観音様」とあがめられる等身大の像

12日に1度の戌の日には、安産祈願に訪れる人でにぎわう中山寺。1603(慶長8)年に豊臣秀頼により再建された本堂には、中央に国の重要文化財に指定されている本尊の木造十一面観世音菩薩立像、その左右に脇侍として県指定有形文化財の木造十一面観世音菩薩立像2体が祭られています。観音様の縁日である18日には毎月扉が開かれ、本堂の外からその姿を拝めます。近寄れない代わりに、本尊の左手と結んだ綱「御手綱(おてつな)」が本堂の正面に置かれ、触れることで仏様との縁を結べるとされています。

平安時代に製作された本尊の木造十一面観世音菩薩立像は、女性の救済を願ったという故事が残る古代インドの勝鬘夫人(しょうまんぶにん)がモデルといわれ、ハスを模した台座に立っています。カヤの一木造りで、手足がひときわ長く、エキゾチックな雰囲気とふくよかで柔和な顔つきが特徴です。左手は人々の恐怖と不安を除く「施無畏印」、右手は願いを受け止める「与願印」の形をしています。常にあらゆる方向を見守り苦しむ人々に救いの手を差し延べるため、頭上には表情の異なる11個の顔があり、見えない後頭部には大笑いする顔が彫られているそうです。「女性にとって大変な出産において、妊娠中や分娩(ぶんべん)時の苦を除くと伝わります。右足の親指が少し浮いているのは、少しでも早く駆け付けて助けたいという優しさの表れといわれています」と法務部の佐々木善祐さんは話します。

正月の新春祈祷(きとう)の際は本堂に入ることができます。
本尊の左手と結ばれた「御手綱」の端を五鈷杵(ごこしょ)に取り付け、触れられるようにしています。
約15年前の清掃により本堂の天井や壁に描かれていた絵が明らかに。それを機に塗り直され鮮やかな色合いがよみがえりました。

植物や建造物を見ながら境内を散歩

参道の両脇を彩る花は月ごとに入れ替えられ、5月はアジサイ、6月はダリアを予定。6月下旬になると境内中にハスの鉢植えが置かれ、池のハスも見頃を迎えます。

「境内の至る所に植物があります。生まれ年の干支(えと)に縁のある守本尊も各所に祭っているので、本堂だけでなく、境内全体をゆっくり回ってみてください。高さ約28mの青い五重塔や朱色の大願塔といった2つの大きな塔も見ものです。忙しい日々の良い息抜きになると思いますよ」と佐々木さん。

本堂北側にある五重塔の前を通り坂道を上ると、見晴らしの良い公園「星の広場」に至り、山々の緑を眺められます。さらに西に進むと奥之院につながる片道50分ほどのハイキングコースが延び、山登りにもチャレンジできます。仏様と自然に囲まれて、心が安らぐ穏やかな時間を過ごしませんか。

境内の東の端にそびえる五重塔は、2017(平成29)年の建築。四神のうち東方をつかさどる青龍にちなんで青色にしたそうです。夜はライトアップもされています。
「星の広場」の藤棚では、40年ほど前から白いフジ「シロカピタン」も育てています。見頃は4月下旬です。
中山寺
宝塚市中山寺2-11-1
TEL:0797-87-0024
アクセス:阪急「中山観音」駅から徒歩すぐ
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