宝くじの奥深い世界をのぞける宝くじドリーム館
大阪・難波には、宝くじの歴史や多様な楽しみ方をPRする施設「大阪 宝くじドリーム館」があります。神戸からひと足延ばして、知られざる宝くじの世界をのぞいてみませんか。
デザインの変遷など目でも楽しめる宝くじ
同館が誕生したのは1986(昭和61)年。もともとは淀屋橋の近くにありましたが2007(平成19)年に現在地に移転しました。館内では、江戸時代の貴重な資料から最新の宝くじに関するデータまで多様なコンテンツをコンパクトに紹介しています。
日本の宝くじの起源は、江戸時代初期。大阪の箕面山瀧安寺で正月に参拝者が名前を書いた木札を箱に入れ、その中から当せん者が選ばれ福を招くお守りを授けられたのが始まりだそう。やがて、金銭が授与される「富くじ」となって広がり、天保の改革で禁止に。復活したのは、太平洋戦争の終戦前月でした。「政府が軍事費調達のため売り始めましたが、抽せん前に終戦。結果的に復興のために使われました」と館長の神山亮さんは話します。同年「宝くじ」に改称され、翌年からは各都道府県が復興資金調達等のため独自に宝くじを発売するように。1954(昭和29)年からは地方自治体が独自または共同で売る「自治宝くじ」のみになったそうです。
展示スペースには時代ごとに宝くじが並べられ、その変遷を分かりやすく紹介しています。昭和など古い時代のものは、印刷技術や資材不足から色数が少なく、色使いやイラストのタッチもレトロな雰囲気が漂います。「デザインを見ても楽しめますよ。毎年、前の年に全国で売り出された宝くじのデザインを競う人気投票を行っており、今年は8月14日(木)まで実施しています。投票者にはオリジナルグッズを進呈していますので、ぜひ参加してください」と神山さん。
展示の中には兵庫県に関係するくじも。1995(平成7)年、阪神・淡路大震災の発生した3カ月後に急きょ販売された「阪神・淡路大震災復興宝くじ」には、神戸ポートタワーと神戸の街並みが描かれています。「今年の年明けに発生した能登半島地震もそうですが、大規模な災害が発生したり、万博など国を挙げた行事があったりすると、その復興や協賛に収益金が充当される『復興宝くじ』や『協賛宝くじ』が出ます」
バーチャル体験コーナーやライブ感あふれる抽せん会も
近年は、自分で数字を選ぶ「ナンバーズ」などの選択式や、カードを削ってその場で結果が分かる「スクラッチ」、さらにはインターネット限定で好きな絵柄を選ぶくじ「着せ替えクーちゃん」といったさまざまなタイプが登場。館内では3桁の数字を選ぶ「ナンバーズ3」をバーチャル体験することができます。
この他、フロアの奥には「抽せんステージ」も。年に数回、ナンバーズなどの抽せん会が行われ、目の前でライブ感あふれる抽せんの現場を見られます。デジタル化が進む時代にあって、数字の書かれたボールが抽せん機から出てきたり、回転する数字盤に矢が刺さったりといったアナログスタイルで行われる抽せんは、とても新鮮に映ります。
「宝くじはなかなか当たらないと思われがちですが、金額は少なくても比較的当せん確率の高いものもありますし、売り上げの約4割が公共事業に役立てられているので地域振興の貢献にもなります。無理のない金額で長く楽しんでいただけたら」と神山さん。
ひとしきり見学すれば、気分はすっかり“宝くじ挑戦モード”へ。すぐに購入したいという人は、帰り道に宝くじ売り場に立ち寄ってみては。“幸運の館”を訪れたご利益がありますように。
大阪市浪速区港町1-4-1 OCATビル1F
TEL:06-6632-7892
開館時間:10:00~18:00
休館日:日曜、祝休日
入館料:無料
アクセス:JR「難波」駅下車すぐ
マップ:https://maps.app.goo.gl/qpPoZEnquoS4aUVg7