宝石を日常に取り入れられるように

「Moixx」は、神戸市で70年以上宝石に携わってきた株式会社フクヤが2020(令和2)年に立ち上げたブランドです。これまでに培われた宝石の知識や職人とのつながりを生かし、宝飾のフォーマルなイメージを覆す、普段使いしやすいジュエリーを展開しています。

店内では、針状の内包物が虹色に輝いて見えるトパーズ、スイカのような黄緑色とピンクの配色のウォーターメロントルマリン、オパールとカルセドニーがくっついた石など、天然石を用いた個性豊かなジュエリーと出合えます。「宝石は人間と同じように成長の過程が石に刻まれていきます。同じ種類でも、色や内包物などによって一つ一つ異なるところに注目してほしいです」とマネジャーの伊藤さんは話します。

大ぶりのアクアマリンを大胆にあしらったものやリングのアームの部分に凹凸で動きを付けたものなど、従来のスタイルにとらわれないデザインは、一見奇抜でありながらも指の動きを遮ることなく、滑らかな付け心地です。

自分自身の一部となるアイテムを

「ジュエリーに使用する天然石のほとんどは、海外で直接自分たちの目で確認しながら買い付けています」。ジュエリーは基本的に店舗3階にある工房で制作。色合いや模様など、石の個性を最大限生かせられるようなフレームを選び、さまざまなこだわりが細かく加えられます。

一番人気が高いデザインは「choux(シュー)」。フランス語でキャベツを意味し、中央にセットされた石を地金で包み込むようなフォルムで、側面から見ても凸凹と動きのある形を楽しめます。

店舗にあるルース(※)から選んでセミオーダーすることもでき、予算は5万円ほどから。年代物のフォーマルなジュエリーのリフォームにも対応しており、日常で使いやすいデザインにすることで出番が増えたと好評だそうです。「いずれも受注から仕上がりまで4カ月ほどかかりますが、自分の一部を作る気持ちでオーダーしてもらえれば」

身に着けることで個性を表現できるアイテムは、自分用にも大切な人へのプレゼントにもぴったりです。

※ルースとはジュエリーに加工されていない宝石のこと。