賄いから誕生した具だくさんカレーちゃんぽん

阪神甲子園球場の北、中津浜線沿いにたたずむのは、「CHINA DINING 威風堂々」。先代が1988（昭和63）年に立ち上げたちゃんぽんと皿うどんの専門店「夜来香（イエライシャン）」を継いだ2代目の中西宏之さんが、6年前に屋号を変えてすぐそばでリニューアルオープンしました。

「夜来香」時代のちゃんぽんと皿うどんは今も健在。ちゃんぽんだけで7種もある豊富なラインアップのうち、とりわけ目を引くのが「カレーあんかけちゃんぽん」（1,070円）です。中西さんいわく、「もともとはスタッフの賄いでした。毎日同じ味だと飽きるのでアレンジして出したら好評で、メニューに加えました」とのこと。

自家製のカレールーは程よくスパイシー。スープを加え、野菜、豚肉、イカなど10種以上の炒めた具材を合わせ、もっちりとした中太ちぢれ麺にかけています。「とろみが最後まで楽しめるよう工夫しています。残ったスープにご飯を入れてもおいしいですよ」

大きな丼にたっぷり入って食べ応え満点。一品料理も多数あるので、それらと共に数人でシェアするのもおすすめです。ノーマルのちゃんぽんもいいけれど、たまにはスパイシーなカレーとの意外なマリアージュを試してみませんか。

門外不出のレシピで作られたカレーをスパゲティで

創業76年を誇る「インデアンカレー」。料理好きだった創業者がインド人からカレーの作り方を教えてもらい、日本人向けにアレンジして大阪で開業しました。レシピは門外不出で、現在は3代目社長が継承。ルーはセントラルキッチンで作られ、各店舗で仕上げています。

看板メニューは「インデアンカレー」（830円）ですが、「インデアンスパゲッティ」（830円）も隠れた人気。麺は少し太めでもっちり。ゆでた後に表面が少しパリッとするまでしっかり炒め、秘伝のルーをたっぷりかけ、仕上げにグリーンピースをあしらい彩りを加えています。

ルーは口に含んだ直後はフルーティーで、その後じわじわと辛さが広がるのが特長。肉以外の具材はルーに溶け込んでいるため見た目は至ってシンプルですが、「中毒性がある味だ」と通い詰めるファンもいるとか。辛いのが苦手な人は生卵を追加し、マイルドな味にしてからいただきましょう。

現在、大阪や東京など10店舗あるうち、兵庫県内には1986（昭和61）年に開業した芦屋店のみ。カウンター中心の他店舗と違ってテーブル席を多く設けており、家族連れの来店が目立ちます。3代にわたって通うファミリーもいるそうで、根強い人気がうかがえます。

一度食べると忘れられない癖になる味わいは、世代を超えて愛され続けています。

グリーンカレーとそうめんでアジアンテイストに

神戸・三宮、小さなビルの6階。扉を開けるとカフェのようなモダンな空間が広がります。そうめん専門店「kistasan素麵」は、オーナーの山下新太さんが、兵庫県たつの市の特産品である手延べそうめん「揖保乃糸」を使ったおしゃれなそうめん料理と日本酒が楽しめる店を作りたいと、昨年9月にオープンしました。

和のテイストを中心とした創作7品の中でも個性際立つのが、「野菜たっぷり季節の野菜そうめん（グリーンカレー）」（1,550円）。たつの市から直送された一年ものの上級の“ひね”を、神戸の人気店「マンドリルカレー」のカレーペーストにそうめんつゆ、ココナッツミルクを加えた特製つゆと合わせていただきます。トッピングにはパプリカ、オクラ、ナスなど季節の野菜約10種が彩りよく盛り付けられ、見ているだけでも食欲アップ。「そうめん好きのお客さんのアイデアにヒントを得て商品化しました。グリーンカレーとそうめんという珍しい組み合わせを、ぜひ試してください」と山下さん。

ひねのそうめんは、こしがあって喉越し抜群。つゆとよく絡み、グリーンカレーのまろやかな味もしっかり感じられます。 夏の疲れがたまって食欲がない時には、野菜たっぷりのアジアンテイストな一皿で、元気を取り戻しましょう。