コープ自然派 安全・安心ものがたり④有機飼料で平飼いされた鶏のオーガニックの卵/PR
毎日の食事の中で何かしら使われている鶏卵。神戸から車で約2時間、徳島県吉野川市にある山川農場では、コープ自然派と共同開発した鶏卵を生産。有機飼料で平飼いした鶏の安全・安心なオーガニックの卵を紹介します。
平飼いされ伸び伸び暮らす鶏たち
吉野川の支流、川田川沿いにそびえる高越山の中腹にある山川農場。敷地内に立つ300㎡ほどの鶏舎では、1,600羽の雌鶏が元気な声を上げながら止まり木に飛び移ったり、砂浴びをしたりしています。
現在、日本では養鶏場の9割以上がケージ飼いで、羽を広げて動き回るという動物本来の行動欲求を満たすことができない環境下で飼育されていますが、ここでは太陽光や自然の風が入る開放的な空間で、鶏たちはストレスなく伸び伸びと暮らしています。農場を運営するのは旭商事株式会社。動物の福祉を尊重するアニマルウェルフェアの考え方が日本でまだ重要視されていなかった1995(平成7)年から、この地で鶏を平飼いしてきました。
同社が卵のオーガニック化に挑戦したのは2017年のこと。農場を視察に訪れたコープ自然派の組合員から「オーガニックの卵を生産・販売してほしい」との要望を受けたのがきっかけでした。そのためには、有機畜産物のJASの取得が必要です。社長の山根浩敬さんは、「鶏たちのためにもなると考え、踏み切りました」と振り返ります。
有機畜産JASの基準をクリアした餌を使用
有機畜産JASには厳しい基準があります。まず、環境面では、飼育密度が1㎡当たり6.6羽以下であることや、止まり木や砂場、巣箱を備えた自然光が入る鶏舎であることなどが求められます。
これらは比較的簡単にクリアできましたが、問題は飼料でした。遺伝子組み換えがなく栽培時や収穫後に農薬を使用していない作物を原料にしなければなりません。「基準を満たすものを扱う飼料メーカーがなかなか見つからず、苦労しました」と山根さん。半年後、ようやく海外産のトウモロコシ、大豆かす、魚粉などをブレンドした飼料を調達することができ、2018年、国内3例目となる有機畜産物のJAS認定を取得、約4カ月の有機化転換期間を経てオーガニック卵の販売にこぎつけました。
しかしその後、原料の主産地だったウクライナが戦地になったり円安が進んだりしたことで飼料代は高騰。現在は米国、インド、ポーランドから仕入れた原料に、国内で飼料用に栽培された米を加えて与えているそうです。「これからもっと値上がりすることを想定し、今後は国産の原料を確保していけたらと考えています」
安心・安全な飼料で健康的に育てられた卵は、黄身も手でつまめるくらい弾力とはりがあり、卵本来の濃厚な味わいが楽しめます。卵かけご飯か目玉焼きか、はたまたオムレツか。毎日元気いっぱいに暮らす鶏たちの“おすそ分け”を今日はどうやっていただきましょう。