無店舗パティスリーのクッキー缶
手土産やギフトに人気のクッキー缶。オンラインショップやイベント、自宅などで限定販売されている“うわさ”の商品を紹介します。
空をテーマにしたほっこり心和む贈り物(3108おやつものがたり)
西宮・今津の住宅街の一角。毎月第3火曜になると、民家のガレージに小さなテーブルとショーケースが置かれます。即席でこしらえた販売所の主は、写真家の山口かおりさん。おいしくておしゃれなだけでなく、もう少し個性のある贈答用のお菓子がほしいとずっと思っていたそうです。9年前、イベントで知り合ったパティシエにその話をすると、力を貸してくれることに。早速コンセプトやデザインを伝え、思い描いた商品を形にしてもらいました。それがクッキー缶「空缶」(3,300円)です。
「空が好きだったのでそれをテーマにしました」とほほ笑む山口さん。アルミ缶を開けると、翼を広げたものから木に止まっているようなものまでさまざまな形をした4種の鳥をはじめ、山、雲、プリズムの全7種がパズルのピースのように収まっています。3種はシンプルなバタークッキー、4種には白や淡いブルーのアイシングが施されて程よい甘さが加わります。
誰もが安心して食べられるよう素材にもこだわり、農薬不使用の国産小麦、遺伝子組み換えのされていない餌で育った鶏の卵をチョイス。着色料はクチナシや竹炭などを用いており、保存料は使っていません。
予約は前月1日からホームページで受け付け、当日も数量限定で販売。「空缶」以外にも、箱入りの「はばたき」(1,980円)や「ソラノムコウ」(4,400円)、お手頃なパック入り「さえずり」(1,100円)もあります。すっきりとしたデザインとバターの風味が引き立つ素朴な味わいは、リピーターも多いそう。「このクッキーを食べたお子さんが大きくなって、再び口にする機会があった時に『昔食べた味だ!』と思い出してもらえたらうれしいです」
いつの日か語られる懐かしい“おやつものがたり”を楽しみに、今月も青空の下、笑顔で人々を迎えます。
西宮市津門綾羽町3-3
TEL:080-9546-8785
営業時間:10:00~13:00(売り切れ次第閉店)
営業日:毎月第3火曜(予約をすれば翌日16:00~18:00も受け取り可)
アクセス:阪急「阪神国道」駅から徒歩約5分
オンラインショップ:https://3108.crayonsite.com/
コーヒーはもちろんお酒にも合う大人のクッキー缶(bar.HIRAYAMA)
神戸・三宮にある「bar.HIRAYAMA」はパティシエの平山奈央さんの夫、文彦さんが営むバー。20時にオープンするまで、ここのカウンターの中が平山さんのアトリエです。
平山さんは、専門学校でお菓子作りを学んだ後、フランスに留学して修業を積み、帰国後はパティスリー、ホテル、カフェ、パン屋などで働きました。結婚後、夫のバーでお酒のチャームとしてクッキーや焼き菓子を提供したところ評判が良く、4年前に本格的に始動。店舗は構えずバーで販売するかたわら、インスタグラムや「EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET」などイベントでも出品するように。今では、いくつかのカフェや雑貨店にも卸しています。
クッキー缶は、不定期でインスタグラムと一部の卸し先のみで販売。缶の中には、可憐(かれん)なエディブルフラワーをあしらったアイシングクッキーやサツマイモを模したユニークなサブレ、レモングレーズが施された爽やかな味わいのクッキーなど、形はもちろん、食感や味も異なる10種がぎっしり詰まっています。内容は毎回ほぼ固定ですが、お正月には干支(えと)のクッキーを入れるなど時折変化も加わります。「甘さは控えめで、コーヒーやウイスキーに合う大人向けのものが多いです」
材料は添加物や農薬を気にしながら小麦粉は国産小麦、甘味料はきび砂糖や洗双糖、その他つながりのある生産者から仕入れた安全なフルーツや野菜を使い、安全性と無理のない価格とのバランスを重視しています。「今後は常時オーダー可能なミニサイズのクッキー缶を展開するつもりです」と話す平山さん。
次回のクッキー缶の予約受け付けは、3月ごろの予定。数量限定につき、インスタグラムをこまめにチェックして貴重な一缶を、ぜひ。
神戸市中央区中山手通1-3-10
TEL:078-392-1800
Instagram:https://www.instagram.com/nao_hirayama/
※基本はフォロワー限定でインスタグラムDMを通しての販売。店頭やイベントでの受け取りを希望する場合は事前DMで連絡を
素材にこだわりバラエティーに富んだラインアップ(株式会社タガヤ Patico甲子園ラボ)
「株式会社タガヤ Patico甲子園ラボ」は、京都でブライダル事業を手がける同社が2019(令和元)年に立ち上げたスイーツブランド。西宮市に製造所を構え、約50種の洋菓子をオンライン限定で販売しています。
クッキー缶は3種あり、立ち上げ当初からの看板商品が「ベジボックス」(2,970円)です。
9種で構成され、円、正方形、短冊状とさまざまな形があり、色も緑や紫、黄と野菜の素材を生かした鮮やかなものが目立ちます。「野菜の嫌いなお子さんもクッキーにすれば食べられるかと思って作りました」とレシピ開発に携わるパティシエの大道知佳さん。野菜は国産を仕入れ、パウダーやペーストにしてから兵庫県産小麦を使った生地に練り込んでいます。咀嚼(そしゃく)力を養うため、少し硬めのクッキーが多いのも特長の一つです。
子どもを意識して開発した商品ですが、いざ販売してみると健康志向の女性やシニアにも好評だったそう。「スティックタイプのクッキーにクリームチーズを付けてお酒のおつまみにする人もいるそうです」
きなこや黒ごまといった和の素材を取り入れたのが「ソフトベジボックス」(2,970円)。ほろほろと口溶けの良いものなどやや軟らかくし、お年寄りにも食べやすいよう考えられています。一昨年には、京都府の契約農家で育てた無農薬特別栽培米を使用した「米粉のクッキー」(3,980円)も仲間入り。見た目は至ってシンプルですが、バターとお米の風味にほんのり塩味を利かせ、飽きのこない味わいが人気です。
3缶とも着色料や香料、保存料などは一切使わず、体に優しいのが高ポイント。子どもからお年寄りまで幅広く楽しめる多彩なクッキー缶は、家族が集まるだんらんの場で重宝しそうです。