元公邸料理人の味③本山シェフの万能調味料シリーズ
世界各国に赴任した大使や総領事が暮らす日本国大使館・領事館の専属料理人を「公邸料理人」と言い、現地の要人や諸外国の外交官、日本からの来賓などをおいしい料理でもてなすのが仕事です。神戸・阪神間で活躍する元公邸料理人とその味を紹介します。
世界を渡り歩いた料理人による“魔法の調味料”
最近、元公邸料理人が手がける、ある調味料が人気を集めています。亜麻仁油をベースにした「本山油」をはじめとする「本山シェフの万能調味料シリーズ」です。開発者は株式会社フーズパレットで中華総菜の開発を行っている本山隆洋さん。26歳のときに東京のレストランで働いていた際、縁あってフランスのストラスブールにある日本国領事館で公邸料理人を任されることになりました。「フランスでの約2年は海外のゲストを招いてのパーティーが多くありましたが、ジビエをはじめ本場の食材を用いて多様なフランス料理にチャレンジしました」と話す本山さん。美食の街といわれるストラスブールにおいて周囲からの評価も高く、「三ツ星ホテルに並ぶ味」と評判になったそうです。
フランスの後はスイス、チェコ、ベトナムに赴任し、13年にわたって公邸料理人として従事。とりわけスイスでの3年半は日本料理にも携わり、現地の食材を生かしながら腕を振るいました。「飾りもののユズや大葉がなかなか売られてなくて、入手するのに苦労しました」と振り返ります。
帰国後は知人の紹介でフジッコ株式会社から声がかかり、商品開発の道へ。子会社のフーズパレットで商品開発に携わり、2021(令和3)年、家庭で手軽にプロの味が楽しめる「本山油」(1,080円)を発売しました。健康に良い亜麻仁油、ナツメや落花生など9種の薬膳食材を調合した調味料は、ドレッシング感覚で生野菜にかけるのがおすすめ。「特にパクチーやセロリといった香草に良く合いますよ」と本山さん。 翌年、第2弾として出したのが 「本山大蒜(にんにく)」(1,080円)。青森県産のニンニクにショウガや和三盆糖などを合わせており、魚や肉料理の味付けや、チャーハンに混ぜるなどして使います。半年後に出した第 3 弾「本山赤醤(あかじゃん)」(1,080円)は、唐辛子や豆板醤などの奥深い辛さと土佐あかうしのうまみを生かした、スープに合う一品。ラーメンにかけたり、そうめんつゆに加えたりしても良いのだとか。
24年5月には新商品「本山松露(トリュフ)」(3,240円)をリリース。固形のトリュフがふんだんに使われ、チーズや卵と相性抜群。トリュフをかけた卵かけご飯はフランス時代の思い出の味だそうで「卵かけご飯にトリュフなんてもったいないと思うかもしれませんが、家庭だからこそできる贅沢(ぜいたく)。他にもいろいろな料理に試して、わが家の味を見つけてもらえたら」と本山さん。 用途多彩な“魅惑の調味料”は、冷蔵庫に常備しておけば重宝すること間違いなしです。
神戸市中央区港島2-6(製造のみ)
TEL:0120-150679
オンラインショップ:https://shop.foodspalette.co.jp/f/motoyama-series