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進化する角打ち①一三酒店マルアール、マルシー

酒屋の一角で軽くお酒を楽しむ「角打ち」。昔は乾きものをつまみながら立ち飲みしていましたが、近年は椅子を置く店も増え、ちょっと手の込んだ酒肴を提供したり、特定のジャンルのお酒に特化したりと、様相が変わりつつあります。個性あふれる今どきの角打ち店を紹介します。

日本の酒とワインで下町の角打ち文化を再び

神戸・三宮の繁華街から少し北東にある二宮。かつては二宮商店街を中心ににぎわい、角打ちも何軒かありましたが、店主の高齢化などで閉店が進み、近年は寂しい印象に。そんな中2021(令和3)年、この町で2軒のホステルを営む善家崇さんが立ち上げたのが、角打ちができる酒屋「一三酒店マルアール」です。大学進学を機に愛媛県から神戸に出てきた善家さんは、これまでデザイン会社や飲食店なども経営してきました。酒屋を立ち上げたきっかけは、宿泊客が旅の土産にする酒を買う場所が近くになくて困っていたことから。宿のそばの空き店舗を改装して開業し、「昔のように気楽に角打ちが楽しめるような場所も」と店の奥に立ち飲みスペースをこしらえました。

お客には近隣住民も多く、毎日数回顔を出す年輩の女性客もいるといいます。神戸に故郷・愛媛の日本酒を扱う店が少ないことから、陳列棚はいつの間にか愛媛県の酒が中心に。兵庫県内ではここにしか置いていない銘柄もあるそうです。

酒のあてには、近くの二宮商店街で販売されている焼き豚やアジの南蛮漬けなどを提供し、地域振興にも貢献しています。「うちで食べておいしさを知ってもらい、帰りに商店街に寄ってもらえたらいいなと思って」

昨年8月には、経営する女性専用ホステルの1階で、角打ちができるワインショップも始めました。善家さんの会社でグラフィックデザイナーとして働いてきた後藤玲子さんがソムリエの資格を取得し、店長に。産地はこだわらず、デザイナーの感性を生かしてボトルのラベルデザインが個性的なものや、数量限定の珍しい品などを取り扱っています。「ワインに詳しくなくても気軽にどうぞ。迷ったらデザインが気に入ったものを試してみるのも面白いですよ」と後藤さん。

ゆったり緩い空気が流れる下町に、再び角打ち文化の灯がともりつつあります。

愛媛県の酒六酒造の「京ひな 一刀両断」(500円)には「アジの南蛮漬け」(300円)、同じく愛媛県武田酒造「媛一会 山廃仕込 純米吟醸  無濾過生原酒」(500円)には二宮商店街のマル井肉店の「焼き豚」(500円)がよく合います。
店舗デザイナーの経歴を持つ善家さん。ガス管を活用したという店内奥の粋な酒瓶のディスプレーが目を引きます。
イチオシは料理人をしながらワイン造りもする山西祐輝さんのナチュラルワイン「naname」。「二種のチーズとファイブシードクラッカー」(800円)と一緒に。
「今後は個性のある国産ワインを増やしていきたいです」と話すワイン担当の後藤さん。
一三酒店 マルアール
神戸市中央区琴ノ緒町3-5-7
TEL:078-855-2808
営業時間:15:00~23:00
定休日:不定休
アクセス:各線「三ノ宮」「三宮」「神戸三宮」から徒歩約10分
マップ:https://maps.app.goo.gl/2iuQ1VSzb9B338nu6
一三酒店 マルシー
神戸市中央区二宮町4-2-2
TEL:078-241-1866
営業時間:15:00~22:00
定休日:日曜
アクセス:各線「三ノ宮」「三宮」「神戸三宮」から徒歩約10分
マップ:https://maps.app.goo.gl/1fDqWauoFGP9ACNP9
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