古民家カフェでいただく薬膳アフタヌーンティー　

西宮市内の閑静な住宅街の一角に立つ築60年近くの一軒家。靴を脱いで店内へ上がると、ダイニングキッチンと座敷が続きます。「義父母が暮らしていた家を一部改修し、お店にしました」と話すのは、オーナーの細田尚代さん。薬膳教室を主宰していた経験を生かし、2023（令和5）年に娘の真帆さんと共に開店しました。

おすすめは、アフタヌーンティー「巡 美茶会」（4,500円）。梅を加工した「烏梅」の酸味が爽やかな「桂花酸梅湯」に始まり、高麗人参を約2日煮込み、ナツメをはじめ約10種の生薬と野菜などを加えた「薬膳スープ」、梅やコマツナの昆布漬けなどを用いた小ぶりのおにぎり3種と続きます。日替わりの総菜とスイーツ各4種は、小さな器に入れて円形の飾り棚で提供され、どれから手を付けようかと迷うのも醍醐味（だいごみ）の一つです。この日の総菜は「小松菜と干し柿と黒木耳の胡麻和え」「牛蒡と梅の養老煮」など。「米粉の抹茶ういろう」「洋梨と白木耳のコンポート」といった和洋織り交ぜたスイーツは真帆さんの担当で、「小麦粉や上白糖は控え、体に優しいものにしています」と話します。

薬膳茶はデトックスや精神安定など効能別に8種から選べます。「時間を気にせずゆっくり養生していただけたら」とほほ笑む尚代さん。温もりが感じられる木製の調度品や昔ながらのすりガラスの窓などどこか懐かしい空間で、午後のひと時をほっこり過ごしませんか。